好きな色やデザインを施すことができ、指先をキレイに彩るネイル。見ているだけで気持ちやテンションを高められるという人は多いもの。ネイルをどのような状況でも楽しみたいと思っていても、妊娠中のネイルについて、「ネイルをしてもいいの?」「赤ちゃんに影響があったらどうしよう!」と、悩む人もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、妊娠中のネイルについて以下の5点を解説していきます。
- 妊婦にネイルがおすすめかどうか
- ネイルが与える胎児への影響
- 妊娠中はいつまでネイルできるのか
- 妊婦におすすめのネイルの種類
- 妊娠中のネイルで注意すべきこと
妊娠中もネイルを楽しみたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
妊婦のネイルがあまりおすすめされない理由
妊娠中のネイルは、決して禁止されているものではありません。しかし、以下の3つの観点からあまりおすすめはできないものだといわれています。
- 医療機器が使用できない場合があるから
- 出産がいつくるか不明瞭だから
- 施術中の体勢や匂いが負担に感じる可能性があるから
それぞれの詳しい内容を見ていきましょう。
おすすめしない理由①:医療機器が使用できない場合があるから
ネイルをしていると、一部の医療機関を使用することができません。
たとえば血液中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターという医療機器は、爪の色が違うと血中の酸素濃度を正確に測れない場合があります。パルスオキシメーターは、爪から赤外線を通して血中の色を判断するからです。
たとえクリアなネイルであっても、ジェルネイルやスカルプといった厚みのあるネイルでは、正しい測定ができない可能性があります。新型コロナウイルス感染症が蔓延する近年では、妊婦がパルスオキシメーターを使用する場面は多いです。そのため、万が一の際にすぐに診療できるよう、妊娠中はネイルをしない方が得策といえるでしょう。
おすすめしない理由②:出産がいつくるか不明瞭だから
妊娠後期の妊婦には、特にネイルをおすすめできません。なぜなら、出産中のネイルを禁止している病院が多いからです。出産時は、妊婦の身体の状態をチェックするために爪を観察することがよくあります。しかしネイルをしていたら、妊婦の的確な身体の状態を知ることができなくなります。
妊娠後期は、いつ出産が始まるかわかりません。予定日がまだ先だと思っていても、急に出産になる可能性はゼロではないため、妊娠後期の妊婦はネイルを控えましょう。
おすすめしない理由③:施術中の体勢や匂いが負担に感じる可能性があるから
妊娠初期は吐き気や頭痛など、つわりに襲われる妊婦が多いです。つわりが始まると匂いに敏感になる人が多く、ネイルの独特な匂いで気持ち悪くなってしまう可能性があります。
ネイルサロンでネイルをする場合、1〜2時ほどの時間を要します。妊娠中期〜後期の場合、お腹が張るため、同じ体勢で座りっぱなしになることに負担を感じるかもしれません。
ネイルをした妊婦の胎児への影響
化学物質で構成されているジェルネイルやマニキュアは、胎児に悪影響を与えるのではないかと不安に思う人も多いのではないでしょうか。しかし、ネイル自体が胎児に与える影響については、科学的に証明されていません。
ただし、ジェルネイルの場合は、胎児への影響に気を配る必要があります。ジェルネイル自体は爪の上にデザインが乗っているだけなので問題ありませんが、ジェルネイルの施術中に発生するダストや、揮発性の溶剤は体内に入り込む可能性があるからです。実際にこれらが胎児に影響を与えるかは明らかにされていませんが、できる限り吸い込まないように注意しましょう。
妊婦のネイルはいつまでOK?
妊娠中のネイルは、おすすめはできないもののNGではありません。しかし、妊娠中ずっとできるものではありません。先述の通り、出産時は爪の状態をもとに妊婦の健康状態を確認するため、出産が近くなる臨月に入る頃には、オフしておく必要があります。
妊娠中にどうしてもネイルをしたい妊婦は、8ヶ月を過ぎたあたりでオフするのがおすすめです。ただし、病院の指定がある場合は、病院のルールに従いましょう。
妊婦のネイルは「ジェルネイル」と「マニキュア」どちらがいい?
妊婦でもネイルをしたい場合に迷うのが、ネイルの種類ではないでしょうか。ここからは、妊娠中のネイルについて、ジェルネイルとマニキュアのどちらがおすすめなのかを解説していきます。
ジェルネイル
ジェルネイルとは、ジェル状の樹脂をライトで硬化させてデザインするネイルのことです。表面に光沢感があり、ぷっくりとした立体感があるのが特徴です。硬化させているのでマニキュアよりもモチがよく、3〜4週間ほどは同じデザインを楽しむことができます。
ジェルネイルのメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | ・モチが良い ・さまざまなデザインが楽しめる ・頻繁に塗り替える必要がない |
---|---|
デメリット | ・簡単にオフすることができない ・施術に時間がかかる ・匂いが独特 |
モチがよく頻繁に塗り替える必要のないジェルネイルですが、妊娠中にはそれらのメリットがデメリットになりかねません。なぜなら、急な出産になった場合、自爪の状態を見る必要がありますが、ジェルネイルだとオフするのに時間がかかるからです。緊急時にはネイルを無理やり剥がされる場合もあるため、妊娠中のジェルネイルはおすすめできません。
ジェルネイルには独特の匂いがあるため、長期間の施術中に気分が悪くなる可能性があります。どうしてもジェルネイルがしたい場合は、体調に考慮して施術を受けましょう。
マニキュア
マニキュアとは、塗料を爪に塗って乾燥させてデザインするネイルのことです。ジェルネイルのような細かいデザインはできませんが、ラメやホログラム入りなどさまざまな種類があるため、簡単に手元を華やかにすることができます。ジェルネイルのようにライトを使って固める必要がないため、施術やオフが簡単という特徴があります。
マニキュアのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | ・施術、オフが手軽にできる ・セルフネイルが楽しみやすい ・必要なアイテムが少ない |
---|---|
デメリット | ・モチが悪い ・乾くのに時間がかかる ・独特な匂いがある |
施術やオフが簡単にできるマニキュアは、妊娠中でも手軽に行うことができます。ただし、出産中は原則ネイルNGのため、臨月になったらオフする必要があります。
マニキュアは自分でも楽しめるため、いちいちネイルサロンに行く必要がありません。マニキュアや除光液の匂いが独特なので、つわりが辛い時期には避ける方が懸命です。
ジェルネイルやマニキュアと一緒に検討したい妊婦のネイルの楽しみ方
ジェルネイルやマニキュアには良い面が多くありますが、妊娠中にはさまざまなデメリットも存在します。ここからは、ジェルネイルとマニキュア以外の4つのネイルについて紹介します。
- ネイルチップ
- ネイルシール
- 水性マニキュア
- はがせるジェルネイル
ネイルチップ
ネイルチップとは、透明のチップにジェルでデザインが施されたチップのことです。チップを爪に貼るだけで簡単にデザインネイルが楽しめるため、手軽にネイルを楽しみたい人に特におすすめのネイルとなっています。
ネイルチップのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | ・簡単に付け外しができる ・サロンに通う必要がない ・匂いがない |
---|---|
デメリット | ・付けっ放しにできない ・衝撃で取れてしまう可能性が高い ・サイズが合わない場合がある |
デザインされたチップを爪に貼るだけなので、妊娠中でも施術時間や匂いを気にすることなく、気軽にネイルを楽しめます。ネイルサロンに行かずとも自宅で注文するだけなので、外出が難しい妊婦でも問題ありません。
ただし、衛生上付けっ放しができないので、毎日ネイルを楽しみたい人は毎回つけ直す必要があります。ジェルネイルと比較すると爪から外れやすいため、気を配った扱いが求められます。
ネイルシール
ネイルシールとは、デザインされたシールを爪に貼るネイルです。デザインされたものを爪に貼るのはネイルチップと変わりませんが、トップコートを使って爪に貼り付けるため、ネイルチップよりも取れにくいという特徴があります。
ネイルシールのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | ・デザインネイルを手軽に楽しめる ・セルフネイルとミックスできる ・ネイルチップと比べるとモチが良い |
---|---|
デメリット | ・基本的なネイルのアイテムが必要 ・ネイルチップと比べると装着に手間がかかる ・マニキュアと同じようにオフする必要がある |
ネイルチップと同じく爪に貼るだけで手軽にネイルが楽しめるネイルシールは、ネイルチップよりもモチがよく、1〜3週間は同じデザインを楽しむことができます。セルフネイルとミックスさせると、さまざまなデザインが楽しめるのもメリットです。
ただし、ネイルチップと比べると、装着とオフに手間と時間がかかります。トップコートやネイルファイル、ウッドスティックなどを用意する必要があるので、セルフネイルにストレスがない人におすすめです。
水性マニキュア
水性マニキュアとは、水を主成分として作られたマニキュアのことです。一般のマニキュアよりも化学成分が少ないため、爪に優しいのが特徴となっています。
水性マニキュアのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | ・有害物質が少ない ・除光液を使わずにオフできる ・匂いが少ない |
---|---|
デメリット | ・カラーバリエーションが少ない ・購入できる店舗が少ない ・通常のマニキュアと比べるとモチが悪い |
化学物質が少ない水性マニキュアは、マニキュア独特のツンとした匂いが少ないのが特徴です。除光液を使わずともお湯に浸すだけでオフができるので、除光液の匂いで気分が悪くなる妊婦にもおすすめです。
ただし、通常のマニキュアと比べると認知度が低いため、カラーバリエーションや種類が少ないというデメリットがあります。お湯で落とせるため、モチが悪いともいえます。
はがせるジェルネイル
はがせるジェルネイルとは、その名の通りオフする際にはがすだけのジェルネイルのことです。見た目は通常のジェルネイルと同じですが、ジェルネイル特有のオフの手間を省くことができます。
はがせるジェルネイルのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | ・オフが簡単 ・施術時間が短い ・爪に優しい |
---|---|
デメリット | ・モチが悪い ・購入できる店舗が少ない |
オフするときに爪を削る工程やリムーバーを浸す工程がないため、爪に優しいのがはがせるジェルネイルの大きなメリットです。ベース・カラー・トップのすべてを1本でまかなうことができるため、施術時間も短く済みます。
ただし1週間ほどしか持たないため、通常のジェルネイルと比べるとモチが悪いのがデメリットです。妊娠中もずっとネイルを楽しみたい人には、あまりおすすめできません。
妊婦のネイルで注意すべき3つのこと
妊娠中もネイルを楽しみたい人は、母体と胎児の健康を守るためにも、以下の3つのことに注意しましょう。
- 保湿ケアを行う
- 施術中に発生するダストや溶剤を吸い込まない
- 体調が悪くなったら無理せず休む
それぞれの内容は以下のとおりです。
①保湿ケアを行う
出産間近になると、どのネイルの種類でも必ずオフしなければいけません。ネイルをしていると爪の乾燥はあまり気になりませんが、オフした状態だと自爪の乾燥が気になってしまうため、ネイルの有無に関わらず、保湿ケアには気を配りましょう。
子どもが生まれると、今まで以上に水に触れる機会が増えます。妊娠中から保湿ケアを行っておけば、出産後ネイルをしていなくても、きれいな手元をキープできるでしょう。
②施術中に発生するダストや溶剤を吸い込まない
ジェルネイルをするときに発生するダストや溶剤は、体内に入り込む可能性があります。胎児や母体に大きな影響があるかは明らかではありませんが、妊娠中はできるだけ化学物質を体内に取り入れたくないと考えている人は多いです。
そのため、ジェルネイルを施術する場合は、有害物質を吸い込まないような対策が必要です。マスクをしたり換気を徹底したりするなど、徹底的な対策を行いましょう。
③体調が悪くなったら無理せず休む
ジェルネイルやマニキュアは匂いが強いため、妊娠中だと気分が悪くなってしまうかもしれません。座りっぱなしで施術を受けるため、同じ体勢が辛くなる可能性もあります。
施術中に気分や体調の異変を感じたら、無理をせず、すぐに休むことが重要です。無理をすると母体や胎児に悪影響を与える可能性があるため、体調に気を配りながらネイルを楽しみましょう。
まとめ
妊娠中はあまりおすすめできないネイルですが、胎児への影響はないため出産間近の妊娠後期を避ければ妊婦でも問題はありません。しかし、体調と相談をして無理をせずに行う必要があります。出産時はネイルがNGのため、ジェルネイルよりもすぐにオフできるマニキュアの方がおすすめです。
ジェルネイルやマニキュアのほかにも、以下のように4種類のネイルの選択肢があります。
- ネイルチップ
- ネイルシール
- 水性マニキュア
- はがせるジェルネイル
妊娠中は特にライフスタイルや体調に気を配り、自分に合うネイルを楽しみましょう。