セルフネイルの中でも、仕上がりに大きな影響を与えるのが気泡です。はみ出しやムラは、ネイルをしているときに気がつくのですぐに修正できますが、気泡は小さいので、トップコートを塗ってから気がつくことも多いのではないでしょうか。どれほどカラーやアートが綺麗にできていても、気泡が入っていると台無しになってしまいます。
ここでは、気泡が入る原因や入らないようにするポイント、入ったときの対処法を紹介するので、セルフネイルの参考にしてみてください。
ネイルに気泡が入ってしまう原因
気泡は、どんなに丁寧に塗っていても、いつの間にか入ってしまうことがあります。もちろん、雑な塗り方をすると気泡は入りやすくなりますが、塗り方以外にも原因があるので確認しておきましょう。
気泡が入る原因①:マニキュアやジェルネイルの状態
マニキュアやジェルネイルに使用期限は書かれていませんが、一般的に開封後1年が使用期限とされています。その理由は、1年以上経つと劣化するからです。
また、1年経っていないとしても、室内温度が高い場所や湿気の多い場所で保管していると、劣化が促進されてしまいます。
マニキュアやジェルネイルが劣化すると、気泡が発生することもあるので注意が必要です。気泡ができている状態で爪に塗布をすると、当然ですが気泡は入ってしまうでしょう。
また、劣化というほどではないとしても、油分とカラーが分離している状態で塗布すると、気泡ができやすいので注意しましょう。
気泡が入る原因②:ネイル筆の状態
ネイル筆のお手入れ方法が間違っていると、毛先がパサパサになってしまったり、筆に残ったジェルが硬くなったりします。この状態でポリッシュやジェルネイルを筆に取ると、パサついた毛先や硬くなった毛の間に空気が入ってしまい、気泡ができてしまうのです。
気泡が入る原因③:爪の表面の滑らかさ
ネイルをする前には、エメリーボードで爪の表面をファイリングして滑らかにしなければなりません。爪の表面には凹凸があるので、この下準備を怠ってしまうと毛先が均等に爪に当たらなくなってしまいます。すると、ポリッシュやジェルネイルと爪の間に空気が入ってしまうのです。
気泡が入る原因④:マニキュアやジェルネイルのボトルを振る行為
気温が低くなると、マニキュアやジェルネイルが硬くなってしまいます。また、ラメが入っているものは、ラメが下に沈んでしまうので、使う前にボトルを振ることがあるかもしれません。
実は、この行為が気泡の原因になるのです。ボトルを振ると気泡が発生するので、そのままの状態で塗布をすると気泡が入ってしまいます。
気泡が入る原因⑤:ネイルと体温の温度差
マニキュアやジェルネイルは、高温多湿の場所で保管すると劣化しやすいので、冷蔵庫で保管している方もいるかもしれません。しかし、ネイルと体温に温度差があると、気泡が入ることもあります。
冷たい状態のネイルをそのまま塗布してしまうと、指先との温度差によって気泡ができてしまうので、冷蔵庫で保管している場合は室温に戻してから使うのがベストです。また、冷蔵庫で保管していない場合でも、体温が高い方は、ネイルをする前に手を洗うなど指先の温度が下がるようにしましょう。
ネイルに気泡が入らないように押さえるべきポイント
「気泡が入るのは不器用だから」と思う方もいるかもしれませんが、器用・不器用はあまり関係ありません。実は、気泡が入らないようにするポイントがあるので、それさえ押さえればセルフネイル初心者の方でも綺麗に塗れます。
気泡が入らないポイント①:ネイル前の下準備を丁寧におこなう
気泡が入らないようにするには、爪の表面をファイリングしたり、甘皮を処理したりして下準備を丁寧におこないましょう。
【ネイル前の下準備の手順】
① ハンドソープで手を洗ったら、コットンに消毒剤を含ませて手のひらや指先、爪の消毒をします
② エメリーボードやファイルを使って爪の長さをそろえた後、形も整えます
③ ウッドスティックにコットンを巻いて(※)、甘皮をプッシュアップします
④ 余分な甘皮やささくれは、ニッパーでカットしてください
⑤ 甘皮の下にルーススキンがある場合は、優しくこすって除去します
⑥ 爪の表面をスポンジファイルでサンディングします
⑦ エタノールを含ませたコットンで、爪についたダストや油分を拭き取れば完了です
※ステンレスプッシャーでも代用できます
以上が、爪の表面と形を整える下準備の流れになります。下準備をしておくと、気泡が入りにくくなるだけではなく、ネイルの持ちもよくなるので必ずやっておきましょう。
気泡が入らないポイント②:ベースコートを活用する
爪の表面は、ファイルやエメリーボードを使って滑らかにできます。しかし、無理やりジェルネイルをオフしたり、ケア不足だったりすると爪が薄くなっているので、ファイリングのやり過ぎは厳禁です。
爪が薄くファイリングを十分にできない場合は、ベースコートを活用しましょう。ベースコートは爪の細かい凸凹を埋めてくれるので、ファイリングが十分にできなくても表面を滑らかに整えられます。
ただし、ベースコートを塗る場合も下準備はしておきましょう。下準備は前項の工程と同じで、ダストや油分をエタノールで拭き取った後にベースコートを塗布していきます。
【ベースコートの塗り方】
① ベースコートを適量取ったら、ボトルの口の部分で刷毛の片側をしごいて片側だけに液を乗せます
② 爪の生え際より数ミリ手前に刷毛を置き、軽く押し付けながら爪先まで塗ります
③ 左右の塗布する部分は、爪と皮膚の境目を指の腹で広げて均等に塗布します
④ 全体が均等に塗れていれば完了です
ベースコートが均等に塗れていないと、その上に塗るマニキュアやジェルネイルも綺麗に塗れないので、全体が滑らかになるよう丁寧に塗りましょう。
気泡が入らないポイント③:横向きにボトルを転がす
マニキュアやジェルネイルは、しばらく使っていないと中身が分離してしまうこともあるので、使う前に上下に振ってしまう方も多いかもしれません。たしかに、分離したり硬くなったりしたまま塗布すると綺麗に塗れないので、混ぜる必要はあるのですが、上下に振ると気泡の原因になってしまいます。
もし、中身を攪拌したいのであれば、横向きにボトルを転がしましょう。ただし、1~2回転がすだけでは混ざらないので、10回以上左右にコロコロと転がしてみてください。
コンテナタイプのジェルネイルの場合も、勢いよく雑に混ぜると空気が入ってしまうので要注意です。スパチュラ(爪楊枝でも可)を使って、空気が入らないようにゆっくりと混ぜましょう。コンテナでは混ぜにくくて均等にならない場合は、プレートにカラージェルを適量取り出してスパチュラで混ぜてみてください。
気泡が入らないポイント④:冷風の当て方や風量に気を付ける
塗りたては綺麗なのに、乾いた後に気泡ができてしまう場合は、冷風の当て方や風量に気を付けましょう。マニキュアは、ドライヤーを当てると早く乾きますが、風を均等に当てられていなかったり、冷風を強く当てたりすると気泡ができることもあります。
綺麗に仕上げるには自然乾燥がベストですが、時間がない場合は、強い風を当てないように気を付けてください。マニキュア用のネイル乾燥機なら、適切な風量で乾かせるので、マニキュアでセルフネイルをする方は1台持っておくとよいでしょう。
気泡が入らないポイント⑤:ブラシ内の空気を抜く
マニキュアやジェルネイルをブラシや刷毛でかき混ぜたり、何回もボトルやコンテナに出し入れしたりすると、その間に空気が入ってしまいます。この状態で塗布をすると気泡ができてしまうので、塗布する前には必ずブラシ内の空気を抜いてください。
ボトルやコンテナの縁でしっかりしごくと、空気も抜けますし、余分なカラーも取れるので綺麗に塗布できます。ちなみに、1回しごけばよいわけではないので、カラーを取ったらしごいて使うことを習慣にしてみてください。
気泡が入らないポイント⑥:薄く重ねるように塗る
ワンカラーデザインや、濃く塗りたい場合は一度塗りで仕上げたくなるかもしれませんが、厚塗りをしてしまうと空気が入りやすくなってしまうのです。たとえワンカラーデザインでも、薄く重ねるように塗りましょう。薄く塗るとムラにもなりにくいので、ワンカラーが綺麗に仕上がります。
また、トップコートも厚塗りにならないようにしてください。厚く塗った方がツヤ感はでますが、1回で仕上げようと厚みのでる塗り方をしてしまうと、気泡が入ることもあります。トップコートもカラーと同様に、薄く重ね塗りをした方がより艶やかに仕上がるでしょう。
ネイルに気泡が入ってしまった場合の対処法
しっかり下準備をして、丁寧に塗布していても気泡が入ってしまうことはあります。小さい気泡が1個だけできたのであれば、見た目には気にならないかもしれません。しかし、何個かできていると目立ってしまいます。
そのようなときは慌てず、以下の対処法を試してみてください。
気泡が入った時の対処法①:ブラシでゆっくり押し出す
ネイルが乾いていない状態であれば、ブラシでゆっくり押し出すことによって、気泡を取り除くことが可能です。空気が入ってしまったところに、力を入れすぎないようにしてブラシの先端を軽く当てます。気泡がブラシで少し潰れたら、そのまま爪の先まで押していきましょう。強く押し付けると、ネイルがヨレたり剥げたりしてしまうので、ゆっくりと丁寧に押し出してください。
ただし、1回目の塗布段階であれば、アセトンでカラーをすべて落としてやり直すか、再度カラーをブラシに取って空気を押し出すように強めに塗り直す方法でも大丈夫です。
気泡が大きい場合は、どんなに丁寧に押し出してもカラーが剥げてしまうので、爪楊枝などを使って潰してしまいましょう。潰した後は、気泡の跡が残らないように、しばらくそのままにして周りのカラーと馴染ませてください。
気泡が入った時の対処法②:除光液で修正する
ブラシで押し出すのが難しい場合は、除光液で修正しましょう。除光液を指先に取ったら、気泡ができている部分を指先で軽く叩いて馴染ませてください。ポンポンと叩いていると、ネイルが溶けてくるので気泡がなくなります。
もし、カラーが落ちてしまったら、カラーを塗り直してください。全体を塗り直してもムラになってしまうようであれば、除光液で叩いた部分にカラーを乗せて、周りのカラーと馴染ませてみましょう。
気泡が入った時の対処法③:パーツを乗せる
すでに乾いてしまってどうにもならない場合は、ネイルパーツを乗せる方法がおすすめです。気泡の部分に大きさの違うラインストーンやシェルストーンなどを乗せれば、手軽に隠せます。
ただし、複数の気泡ができてしまっていると、ネイルパーツを置くバランスが難しいかもしれません。とくに、全体的に空気が入ってしまった場合は、ネイルパーツではごまかせないので、ラメやホロを全体的に塗って隠すといいでしょう。
気泡があまりにも目立つ場合はやり直すのもひとつの手
気泡は、押し出したり除光液を使ったりすればなくせますし、ネイルパーツを使って隠すこともできます。しかし、あまりにも目立つ場合は、やり直すのもひとつの手です。仕上げまで終わっていると、やり直すのは面倒かもしれませんが、指先は常に目に入る部分といえます。満足できる仕上がりになっていないネイルを見ると、ストレスを感じることもあるでしょう。
ネイルは、美しい指先を作るためにするものです。それなのに、気泡が目立ってしまっていては意味がないので、たとえ面倒でもやり直しをして、いつ見ても綺麗と思える指先に仕上げましょう。
まとめ
気泡が入ると、表面の滑らかさが失われてしまいますし、デザインによってはムラに見えてしまうこともあります。すでに仕上げまで終わった後に一からやり直すのは大変なので、少し面倒でも、ここでご紹介したポイントを実践してみてください。
とはいえ、セルフネイル初心者の方は、どれほど気を付けていても気泡が入ってしまうかもしれません。そのようなときは、ネイルパーツを乗せるなどごまかす方法もあるので、あまり気にしすぎないようにセルフネイルを楽しんでみてください。