すりガラスのような質感に仕上がるマットネイルは、クリアカラーと合わせると涼しげな印象に、カラーネイルと合わせれば温かみのある印象に仕上がるので、オールシーズン使える万能なトップコートです。
一見、セルフネイルでは難しいイメージがあるかもしれませんが、ベースさえ整えておけば簡単にできます。ここでは、マットネイルのやり方や人気のデザインを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
マットネイルとは
ネイルといえば、艶やかに光る仕上がりがスタンダードですが、マットネイルはツヤがなく、マットな仕上がりになるネイルです。
ツヤがないと、綺麗な指先にならないのではと思うかもしれません。しかし、ツヤを抑えることで派手な色のネイルでも悪目立ちせず、黒やブラウンなどのダークカラーではモードな雰囲気に仕上がります。
ネイルを楽しみたいけど落ち着いた印象に仕上げたい、派手カラーを柔らかい印象にしたい場合は、マットネイルがぴったりです。
マットネイルのやり方
マットネイルは、ネイルサロンでオーダーしなければいけないと思っている方も多いかもしれません。しかし、実はネイルの仕上げに塗るトップコートを「マットトップコート」や「マットトップジェル」に変えるだけで完成するのです。
ベースとなるカラーネイルやジェルネイルはそのまま使えるので、とても簡単に楽しめます。では、マットネイルのやり方を見ていきましょう。
STEP1:必要な道具を揃える
まずは、ネイルに必要な道具を揃えます。デザインやネイルの種類によって必要な道具は異なりますが、ここではジェルネイルの道具を紹介します。
- ネイルオイル(キューティクルリムーバー)
- ネイルファイル(エメリーボードやバッファーなど)
- ウッドスティック(メタルプッシャー)
- ニッパー
- ガーゼ
- キッチンペーパー
- お好きなカラーのジェルネイル
- マットトップジェル
- リムーバー
これらの道具の中で、必ず用意してほしいのがネイルファイルです。ネイルファイルは目の粗さ(グリッド数)によって種類があります。グリッド数が少ないものほど粗く、多くなるほど細かくなります。
それぞれに用途が異なり、ベース作りに必須なので必ず用意しておきましょう。
- ゼブラファイル、エメリーボード(爪の形を整える) #150、#180
- スポンジバッファー(爪の表面を整える) #180、#240
※#はグリッド数
STEP2:ベースを整える
ジェルネイルは、カラーを塗る前に「プレパレーション」でベースを整えます。ベースが整っていないと、色ムラやジェル浮きの原因になりますし、綺麗に仕上がらないのでしっかり整えましょう。
① ネイルオイルもしくはキューティクルリムーバーを、甘皮部分にたっぷり塗布します。
② 甘皮が柔らかくなったら、ウッドスティックやメタルプッシャーで円を描くように滑らせながらルーズスキンを取り除いたり、甘皮を押し上げたりしてネイルの根元を整えます。このときに力を入れると根元を傷めてしまうので、優しく丁寧に整えてください。
③ 濡らしたガーゼを使い、ウッドスティックなどで取り除いた汚れを拭き取ります。
④ 押し上げた不要な甘皮はニッパーでカットしましょう。このとき、深くカットすると爪や根元の皮膚を傷つけてしまうので、浮き上がっている甘皮だけを取り除いてください。
⑤ 甘皮処理が終わったら、#150もしくは#180のネイルファイルを使って爪の形を好みのデザインに整えます。ネイルファイルは、一方向だけに動かすのがポイントです。押したり引いたりすると爪に負担をかけてしまうので、注意してください。
⑥ 爪の形を整えたら、#180か#240のバッファーで表面の凸凹をサンディングしましょう。力を入れてこすると爪が薄くなってしまうので、優しく平らにするイメージで行ってください。
⑦ サンディングが終わったら、ベースジェルを塗布します。根元から1㎜ほど離して、厚みが出すぎないように均等に塗布して硬化をしたら、ベース完成です。
STEP3:お好みのカラージェルを塗る
ベースが完成したら、お好みのカラージェルを塗りましょう。マットトップジェルを塗ると霞がかったような色合いになるので、2~3度塗りをしてカラーがはっきり出るようにするのがポイントです。
STEP4:マット用のトップジェルを塗る
カラージェルを塗ったら、仕上げにマット用のトップジェルを塗ります。マットトップジェルがムラになると、つやが出てしまう部分があるので、均等に塗布してください。
STEP5:最後の調整をおこなったら出来上がり
マットトップジェルを硬化したら、爪先やサイドに凸凹がないかを確認します。凸凹がある場合は、ネイルファイルで形を整えましょう。このとき、強くこすると形が崩れてしまうので、力を入れずに凸凹部分だけを削るようにしてください。
形を整えたら、キッチンペーパーにリムーバーを染み込ませて未硬化ジェルを拭き取り、最後に爪の根本にネイルオイルを塗って完成です。
マットネイルを塗る際の注意点とポイント
マットネイルはトップコートをマット用にするだけなので、特別なスキルは不要で、簡単にかわいいネイルデザインを楽しめます。ただし、塗る際には注意点やポイントがあるので、確認しておきましょう。
ツヤがあるタイプと色の感じ方が異なるかも
マットネイルはツヤを完全に消してしまうので、ツヤがあるタイプとは色の感じ方が異なる可能性もあります。
たとえば、ベビーピンクのカラージェルを塗っても、マットトップコートを塗るとサーモンピンクのようになりますし、鮮やかなブルーもくすんだ色合いになるのです。
イメージと違う仕上がりになることもあるので、カラーにこだわりたい人はネイルチップで色味を確認しておきましょう。
塗り残しがないように丁寧に塗る
マットトップコートは、塗った部分だけがマットになります。つまり、塗れていない部分はカラージェルのツヤが出てしまうので、塗り残しがないよう丁寧に塗りましょう。
当然ですが、塗り忘れた部分があるとそこだけツヤが出てしまい、他の部分だけがマットな仕上がりになってしまいます。塗り忘れた部分だけにマットトップコートを塗れば良いと思うかもしれませんが、表面が凸凹になることもあるのです。
マットネイルは凸凹が目立ちやすいので、塗り忘れがないように、根本から爪先、サイドの端の部分まで均等に塗るようにしましょう。
必ずベースを整えよう
マットネイルのやり方の部分で、一番時間がかかるのが「ベースを整える」というステップです。甘皮を処理して、爪の形や根本を整えてベースジェルを塗るのは、かなり面倒に感じるかもしれません。
しかし、このステップを適当にして雑に整えてしまうと、以下のようなことが起こります。
- ジェルがリフト(浮き)しやすくなる
- ムラや凹凸など仕上がりが汚くなる
- ジェルが弾かれる
- ジェルの持ちが悪くなる
せっかく、かわいいネイルに仕上げるためにマットネイルをするのに、このような状態になってしまっては意味がありません。ネイルの仕上がりはプレパレーションにかかっているといっても過言ではないので、一つひとつの工程を丁寧に、ベースをしっかり整えてください。
マットネイルのデザインカタログ
マットネイルは、塗るだけで凝った印象になるのが特徴ですが、デザインを加えることでより個性的なネイルになります。デザインをするとなるとハードルが上がると思う方もいるかもしれませんが、簡単にできるデザインもあるので、ぜひワンポイントとして加えてみましょう。
ここでは、マットネイルのデザインを紹介していきます。
上品な印象を与えるシンプルなワンカラー
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ワンカラーは単色ネイルともいわれるデザインで、文字通り1色で仕上げます。とてもシンプルですが、綺麗に整えたベースにワンカラーをすると、上品に仕上がるのが特徴です。
ただし、1色のみが基本なので、シンプルすぎるのがデメリットとなることもあります。しかし、マットトップを塗布すると、一気に印象が変わり、おしゃれ感のあるネイルが完成するのです。
ワンカラーのマットネイルの魅力は、主張しすぎないのに大人っぽい優雅さを演出できることでしょう。ベージュやブラウン、白など、普通のワンカラーでは地味なイメージになる色でも、マット仕上げにするとさりげないおしゃれ感が出るのでおすすめです。
青やオレンジ、緑など派手なワンカラーも、マットでくすませることにより、ポップでかわいらしい印象になります。ピンクやむらさきなら淡い色合いでフェミニンな雰囲気に仕上がるので、季節や気分に合わせてチャレンジしてみるといいでしょう。
ふんわり儚い印象を与えるニュアンス × マットネイル
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流行の移り変わりが早いネイルデザインの中で、シーズンを問わず人気となっているのがニュアンスネイルです。ニュアンスとはフランス語で「あいまい」という意味です。名前の通りカラーの境界線があいまいで、ぼんやりと色を重ねたり、あえて筆跡を残したりすることで絶妙なデザインを作り上げます。
ニュアンスネイルのやり方はいろいろありますが、基本はカラーをムラに塗ることです。カラーの濃淡や異なるカラーをふんわりと塗布することで、ニュアンスのあるネイルに仕上がります。
合わせるカラーに決まりはありませんが、ピンク×イエローであれば花のようなかわいらしい雰囲気に、ブラウン×ホワイトにすれば秋っぽくなるなど、カラーの組み合わせ次第でオリジナルのネイルが完成しますよ。
ニュアンスネイルにマットトップを乗せるだけでも雰囲気が変わりますが、ワンカラーとニュアンスネイルを合わせて、ワンカラーだけマットネイルにするとよりおしゃれ感がアップします。
アシンメトリーでおしゃれな印象を与えるマットネイル × ツヤ感ネイル
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アシンメトリーとは左右非対称という意味で、左右の爪のデザインが異なるネイルのことをアシメネイルと呼びます。アシメネイルのポイントは、左右で違うデザインでも同じトーンのカラーを使うことです。ここにマットネイルを加えると、似たようなカラーでもまったく違う、ワンランク上の仕上がりになります。
たとえば、ベージュカラーとカーキのマットネイルにするだけで、一気に上級者ネイルが完成しますよ。カラーの組み合わせは自由ですが、まったく違う色味やトーンを使うとちぐはぐな印象になってしまうので、関連性のあるカラーを使ってマットネイルを楽しみましょう。
秋冬のお洋服と合わせたいダークな落ち着いたマットネイル
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秋冬のお洋服はダークな色合いが多くなるので、ツヤ感のあるネイルだと爪だけ浮いてしまいます。しかし、マットネイルにすれば全体のトーンがまとまるので、統一感のあるファッションを楽しむことが可能です。
ネイビーやブラック、ダークブラウンなどは、そのままだと単に暗い印象ですが、マットでカラーをぼかすことにより、落ち着いた柔らかい印象に仕上げられます。単色のダークカラーだけだとつまらないという人は、爪の先や根本部分にシルバーやゴールドのミラーパウダーを乗せてみるのもおすすめです。
ミラーパウダーを加えるだけで、マットネイルがラグジュアリーに仕上がります。
落ち着いた雰囲気を演出できるマットタイプのフレンチネイル
フレンチネイルは、爪の先端部分もしくは根本部分にベースカラーと異なるカラーを塗布するデザインです。ベースはクリアネイルで爪の先端にホワイトカラーを乗せるデザインが基本ですが、最近はホワイトベースにブラックカラーを乗せたモードな組み合わせや、ベビーピンクにイエローフレンチを合わせてポップに仕上げるカラーフレンチネイルが人気となっています。
カラーフレンチはさらに進化をしていて、フレンチ部分だけをマットにしたり、ベース部分をマットネイルで仕上げたりするデザインも人気です。フレンチ部分も半月型だけでなく、斜めフレンチやひし形フレンチ、爪の半分から上の部分をフレンチにするなどデザインの種類も多く、爪の形や好みに合わせて選べるのが魅力ですよ。
フレンチデザインであれば、均等にマットトップコートを塗る自信がない人でも、気軽にマットネイルを楽しめます。
まとめ
ツヤ感があるネイルは綺麗ですが、赤や黒などの濃い色は派手な印象になってしまいます。マットネイルであれば、派手カラーも落ち着いた印象になるので、上品な雰囲気に仕上げることが可能です。
また、色ムラも目立ちにくく、塗るだけでおしゃれネイルにできるなどメリットが多いのも魅力といえます。セルフネイルに自信がない方でも手軽に仕上がるので、チャレンジしてみましょう。