マグネットネイルは、微粒子の鉄粉が配合されているジェルネイルを爪に塗布し、磁石を近づけて鉄粉を動かすことにより、好きなラインや模様を仕上げるネイルデザインです。数年前から流行しているネイルなので、InstagramやピンタレストなどSNSで画像を見たことがある方もいるのではないでしょうか。
磁石の動かし方によってとても凝ったデザインになるので、初めての方は難しそうと感じるかもしれません。しかし、コツをつかめばセルフネイルでも十分に可能です。
ここでは、いまさら聞けないマグネットネイルの特徴やメリットを紹介します。またおすすめのデザインも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
マグネットネイルとは
マグネットネイルとは、微細の粒子に加工された鉄粉を配合したジェルやポリッシュを爪に塗布し、磁石を使ってデザインするアートネイルの一種です。磁石の動かし方や近づけ方によって、光具合やラインを変幻自在に操れるので、ラメやラインストーンとは違ったきらめきを楽しめます。
鉄粉にカラーはありませんが、ベースカラーにはいろいろな種類があり、ジェルネイルのカラーによって仕上がりの印象も異なるのが魅力です。ピンク系であればヌーディー、ブルー系であればクール、ベージュ系なら大人っぽい印象に仕上がるので、イメージやファッションに合わせてカスタマイズできます。
最近は、自由に鉄粉を動かしてデザインできるように、マグネットジェル専用の磁石も発売されているので、気軽にチャレンジしてみましょう。
セルフでも楽しめるマグネットネイルのやり方
一見、難しい工程があるように感じるかもしれませんが、マグネットジェルと磁石さえあればセルフでも楽しめます。基本的に、通常のジェルネイルと工程は同じなので、必要なものだけ用意すれば誰でも挑戦することが可能です。
【必要な道具】
- LED(UV)ライト
- ネイルファイル(スポンジバッファー)、エメリーボード
- ウッドスティック(ストーンプッシャー)
- ベースジェル
- マグネットジェル
- トップジェル
- 磁石
- ネイル筆
- コットン
- エナメルリムーバー
ここでは、マグネットネイルのやり方を紹介するので、興味のある方は参考にしてみてください。
STEP1. ベースを整える
まずはベースを整えます。マグネットネイルは細やかなきらめきのあるネイルなので、爪の表面がぼこぼこしていると綺麗に仕上がりません。また、甘皮などが残っているとリフト(浮き)の原因になるため、しっかり整えましょう。
① 手を綺麗に洗ったら、スポンジバッファーやグリッド数180~240のネイルファイルで爪の表面を整える
② エメリーボードやグリッド数100~120のネイルファイルで爪の形や長さを整える
③ ウッドスティック(ストーンプッシャ-)にコットンを巻いて甘皮をプッシュアップし、ルーズスキンを取り除く
④ 甘皮部分のカーブを綺麗に整える
⑤ コットンにエナメルリムーバーを染みこませ、爪の油分やダスト、汚れを拭取る
STEP2. ベースジェルを塗り硬化させる
ベースを整えたら、ベースジェルを塗りLED(UV)ライトで硬化します。厚塗りをすると、硬化の際に熱くなってしまうので、薄く均等に塗ってください。
STEP3. マグネットジェルをのせて磁石で模様を作る
ベースジェルがしっかり硬化したら、マグネットジェルをネイル筆で取って爪に塗布します。色味にもよりますが一度塗りではカラーが出にくいので、濃いめの色が好みなら1度目は薄く塗って硬化して、2度目はたっぷり塗ってムラにならないよう全体にのばしましょう。
2度塗りをした際に、マグネットで模様を作ります。磁石の形や爪に当てる角度によって模様が代わるので、好みのラインやデザインになったら、LEDライトで硬化してください。
何回も磁石を当てていると、磁石がしずんでしまいかがやきがなくなってしまうこともあります。もししずんでしまっても、再度ネイル筆で表面を撫でると鉄粉が浮かび上がってくるので、慌てずに好きな模様になるまで磁石を当てて大丈夫です。
STEP4. トップジェルを塗り硬化させる
マグネットジェルを硬化したら、最後はトップジェルを塗って硬化させます。トップジェルを硬化したら、爪のラインが崩れていないかをチェックしてください。
もし塗りムラなどでラインが崩れていたり、爪の表面が凸凹していたりしたら、ネイルファイルで整えましょう。
爪の表面を整えた場合は、再度薄くトップジェルを塗って硬化してください。
マグネットネイルで失敗しないポイント
マグネットネイルは、とくに難しい工程はありません。しかし工程がシンプルなだけに、ちょっとしたことで失敗することもあります。ここでは、失敗しないためのポイントを紹介するので、マグネットネイルにチャレンジする方は確認しておきましょう。
マグネットを爪から1~2センチ離す
マグネット(磁石)で模様を作るときには、爪から1~2センチほど離してください。離す理由は、マグネットを近づけすぎると鉄粉がジェルの中にしずんでしまうからです。
しずんでしまっても、再度セルフ筆で表面を撫でれば、鉄粉は浮き上がってきます。しかし、何回もやり直していると表面が凸凹になったり、サイドに垂れたりしてしまうので、マグネットは適度に離して模様を作りましょう。
爪にのせる前に必ず混ぜる
爪にのせる前には、マグネットジェルやマグネットポリッシュを必ず混ぜましょう。見た目では、鉄粉が均等に行き渡っているかもしれませんが、意外にしずんでしまっています。しっかり混ぜないと鉄粉の密度が少なくなり、きらめきも減ってしまうかもしれません。
コンテナタイプの場合は、爪楊枝を使うとまんべんなく混ぜられます。手間にはなりますが、セルフ筆に取る前に必ず混ぜてください。
マグネットジェル専用のマグネットを使う
理想のデザインに仕上げたい場合は、マグネットジェル専用のマグネットを使うのがベストです。普通の磁石でも鉄粉は動かせますが、ジェルやポリッシュがあるので思い通りに動かすのは難しいでしょう。
全体的に浮かび上がらせるだけであれば、普通の磁石でもいいかもしれません。しかし、光のラインを入れたりカーブをつけたりするなど細かいデザインはできないので、専用のマグネットを使うのが失敗しないポイントです。
マグネットネイルのデザイン7選
マグネットネイルは、全面的に鉄粉を浮き上がらせるだけでも綺麗に仕上がります。しかし、マグネット(磁石)を使って鉄粉でデザインを加えることで、ワンランク上のおしゃれなネイルになるのが魅力です。ここでは、マグネットネイルのデザインを7種類紹介するので、お好みのデザインを見つけてみてください。
表面に1本の光のラインを作る「キャッツアイ」
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キャッツアイは天然石の一種で、石の中心に猫の目のような月形のラインが入っています。マグネットネイルの「キャッツアイ」も、天然石のように鉄粉を爪の中心に集めて、猫目のラインを入れたデザインです。
キャッツアイは写真のようにダークカラーを使うと、魔性を感じる大人の女性のイメージに仕上がりますが、カラーによって印象をガラッと変えられます。
たとえば、ピンク系やパープル系のカラーの場合は、魔性というより小悪魔的な可愛らしい印象です。ブルー系やシルバー系を使うと、クールな印象になります。ワンポイントでブリオンやストーンをプラスすると、ラグジュアリー感を楽しむこともできるでしょう。
流れるような光の曲線を作る「ストリーム」
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ストリームは、流れや小川の意味がある英語です。マグネットネイルでは、鉄粉をやわらかい曲線状のラインに整えるデザインのことをさします。ゆるやかなカーブを描く光のラインは、ネイル筆で書くのは難しいですが、マグネットを使うと簡単にデザインすることが可能です。
どんなカラーでも映えるデザインですが、きらめくしなやかなカーブは銀河や天の川を連想させるので、ギャラクシーネイルをおすすめします。ネイビーやブラックをベースにすると、幻想的な光のラインが浮かび上がりますよ。
星のネイルパーツをプラスすれば可愛い仕上がりに、ラメやホロをちりばめればより宇宙っぽい仕上がりになるので、イメージに合わせて好きなデザインを楽しんでみてください。
爪の輪郭に沿ってラインを描く「ふちどり」
「ふちどり」は名前の通り、爪のラインやフレンチラインなどをふちどったデザインです。デザインは多種多様で爪を全体的にふちどったり、フレンチラインから爪の先端を囲むようにふちどったり、キューティクルラインだけをふちどったりします。
ふちどりでは光のラインが目立たないと思うかもしれませんが、マグネットでラインの鉄粉密度を上げることで、より美しいラインに仕上がるのです。
鉄粉はラメよりも細かいので、ふちどりをすることで繊細な美しい印象の指先を演出できます。ベースカラーをピンク系やベージュ系にするとヌーディーな透明感のある仕上がりになるので、どんなファッションにも合わせやすいです。逆に、ブラックやレッドなど濃いカラーにするとスタイリッシュな指先になるので、ファッションのポイントになります。
上品な印象を与える「フレンチ」
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フレンチネイルは有名なネイルデザインですが、ナチュラルなカラーベースに爪先だけ白くするというデザインのイメージがあるかもしれません。しかし、マグネットネイルでもフレンチネイルができるのです。
フレンチにしたい部分にマグネットジェルを塗って、好きなように光のラインを入れたり、ベースにマグネットジェルを塗ってフレンチ部分に違うカラーを塗ったりするなど、さまざまなバリエーションがあります。マグネットフレンチは上品な仕上がりになるので、オフィスネイルにも対応可能です。ベースカラーを使えば、シンプルなデザインながらも光のラインで華やかさが出るので、悪目立ちしないネイルを楽しめます。
最近はベース部分とフレンチ部分で光のラインの位置を変えるオンブレフレンチも人気なので、ワンランク上のデザインを楽しみたい方は挑戦してみましょう。
左右で異なるデザインを取り入れる「アシンメトリー」
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アシンメトリーは、左右で異なるデザインを施したり、色味を変えたりするネイルデザインです。左右のデザインや色を変えることで、凝ったデザインにしなくても上級者ネイルを楽しめます。
マグネットネイルの場合は、片方だけにマグネットジェルを使い、片方はニュアンスデザインを施したり、指ごとに異なるカラーのマグネットジェルを使ったりするのがスタンダードです。
マグネットジェルはキラキラ感の強いイメージがありますが、画像のようにブラウンベースのデザインにすると、落ち着いた印象に仕上がります。また、いろいろなカラーを組み合わせてアシンメトリーにすることで、ポップな印象に仕上げることも可能です。
1色で作るシンプルなおしゃれネイル「ワンカラー」
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ワンカラーは名前の通り、一色だけを使ったネイルデザインですが、マグネットジェルをプラスすることで奥行き感のある仕上がりになるのが魅力です。
画像のようにベージュ系をベースカラーにすると、一見地味に見えても華やかな印象になります。グリーン系をベースにすれば、玉虫カラーのような絶妙な仕上がりになるので、シンプルな服でもネイルだけでおしゃれ感を演出できますよ。
水滴が滴ったような儚げなデザイン「水滴ネイル」
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水滴ネイルは、ニュアンスデザインやワンカラーに、透明なジェルを水滴のようにのせるデザインがスタンダードです。しかし、マグネットネイルの水滴ネイルは、指先に水滴の形を整えた儚げなデザインになります。塗りかけネイルと似ていますが、マグネットジェルを使うことで角度によって光のラインが変わるので、幻想的な水滴ネイルに仕上がるのです。
画像のようなブラウンを使うと派手すぎず大人っぽくなりますし、ピンク系やパープル系を使えば女の子らしい仕上がりになるでしょう。より水滴に近づけるなら、ブルー系やネイビー系を使うのがおすすめです。
まとめ
マグネットネイルはキラキラ感がありながらも、使用するカラーによって上品な印象になったり、派手可愛いイメージに仕上がったりするおしゃれなネイルです。また、マグネットを使って鉄粉のラインを変えれば、ワンカラーでも凝ったデザインに見えるので、セルフネイルでもプロ級の仕上がりになります。
ただし、ベースが整っていないと、マグネットネイル特有の美しいきらめきが出せません。自爪が凸凹していたり、甘皮処理が上手くできなかったりする場合は、ネイルサロンで整えてからチャレンジしてみることをおすすめします。