今では、爪のおしゃれを楽しむのは当たり前になっており、職種にもよりますがネイルアートを容認している企業も増えています。ファッションよりも自分の好みを反映させやすいネイルは、個性を出しやすいツールにもなるでしょう。
しかし、深爪や極端に短い爪の場合、ネイルを諦めてしまっている方も多いかもしれません。その際には、「長さ出し」をすることによって、深爪でも指先のおしゃれを楽しむことが可能です。
ここでは、深爪でもスカルプはできるのか、できない場合は他に方法があるのかなどを解説していきます。
深爪でもスカルプはできる？
結論からいうと、深爪でもスカルプを付けることは可能です。スカルプは伸びている爪には施術がしづらいため、長さのある爪はカットします。そのため、自爪が短くても深爪であっても問題なく付けられるのです。
ただし、付けること自体に問題はありませんが、深爪の場合は接着面が狭くなってしまいます。もしネイルベッドの中心ぐらいまで短くなっているようであれば、どうしても取れやすくなってしまい、持ちが悪くなる可能性もあることを覚えておきましょう。
とは言え、スカルプネイルをすれば、短い爪でもいろいろなアートを楽しむことが可能です。また、爪が伸びていると、指裏も伸びてくるので爪の表面積が広がることもあるといわれています。表面積が広がれば深爪も自然と治る可能性があるので、悩んでいる方はぜひ挑戦してみてください。
深爪でもできるスカルプとは
スカルプとは人工爪のことで、アクリルパウダーとアクリルリキッドを混ぜたものや、硬いテクスチャのジェルを使って爪を長くする施術です。
もともとは爪を補強したり、折れてしまった爪を修復したりするための施術でした。しかし、強度が高いことから3Dアートやロングネイルでも用いられるようになり、現在ではネイルアートや長さ出しでもこの技術が多用されているのです。
スカルプネイルは、自爪にスカルプフォーム（紙の台紙）を装着し、自爪からフォームにかけてリキッドやジェルを塗布して硬化します。硬化後、フォームを外して好きな長さに整えることが可能です。そのため、短い爪でも深爪でも関係なく、好きなネイルアートを楽しめます。
スカルプには、単に長さを出せるだけでなくいろいろなメリットがあります。一方で注意点もあるので、チェックをしておきましょう。
スカルプのメリット
スカルプネイルよりもジェルネイルの方が自爪に近い自然な仕上がりになり、指先の違和感もありません。こう聞くと、スカルプネイルに魅力を感じないかもしれませんが、もちろんスカルプならではのメリットがあります。爪の状態や求める仕上がりによって違いはあるものの、スカルプのメリットは以下の3つです。
- 爪を好きな形にできる
- 強度が高い
- 深爪の改善が期待できる
では、それぞれのメリットを具体的に見ていきましょう。
爪を好きな形にできる
スカルプは爪に厚みを出せるので、削ることで好きな形に整えることが可能です。たとえば、爪の先を尖らせて細くしたり、先端を平らにするスクエア型にしたりもできます。
ジェルネイルは自爪と同じぐらいの厚みなので、細く尖らせたり平にしたりすると折れやすくなります。しかし、スカルプは厚みがあるので、細くしても平にしても折れることなく、好きな形を長期間キープできるのです。
強度が高い
スカルプの一番のメリットは、アクリル素材を使っているので強度が高いことです。ハードジェルでも長さを出せますが、強度が弱いので最長でも1cmしか長くできません。それ以上長くすると、ちょっとした衝撃で折れてしまいます。折れるだけならいいですが、ネイルが剥がれてしまうと自爪にダメージを与えるので、深爪の場合はさらに状態がひどくなるかもしれません。
しかし、スカルプは強度も密着度も高いので、1cm以上長さを出しても折れません。もちろん、ちょっとのことで剥がれることもないので、深爪でも安心して長さ出しができます。※ただし、深爪の方は5mm以上の長さ出しは避けましょう。深爪の場合、ネイルベッド（ピンク色の部分）が小さいので、長くしすぎると折れやすくなるので注意してください。
深爪の改善が期待できる
前述しましたが、深爪の改善が期待できるのもメリットです。スカルプは強度が高いので、普通の爪切りでは切れませんし、専用の用具がないと取ることもできません。つまり、サロンでオフもしくは付け替えオフをするまでの約3～4週間は、ずっとネイルが付いている状態です。
爪は3～4週間で2～3mmほど伸びるので、付け続けているとネイルベッド（ピンク色の部分）が広がっていきます。ネイルベッドが広がると爪が縦長に伸びていくので、深爪の改善が期待できるのです。
スカルプの注意点
スカルプは、爪の状態を選ばずに長さ出しができる施術方法です。爪の長さも形も好きなように整えられますし、ジェルネイルでは難しい3Dアートや大きめのネイルアクセサリーも付けられます。しかし、付けた後には以下の点に注意が必要です。
- 無理に爪切りで切らないこと
- できるだけ衝撃を与えないこと
- 浮いてきたらすぐにサロンに相談する
では、これらの注意点を詳しく見ていきましょう。
無理に爪切りで切らないこと
付けてからしばらく経つと自爪が伸びてくるので、長さが気になるかもしれません。しかし、無理に爪切りで切るのはやめましょう。
スカルプは強度が高く厚みもあるので、爪切りなどで無理に切ると自爪との間に隙間ができたり、自爪に大きな負荷をかけたりします。万が一、自爪が剥がれてしまったら大変なので、長さが気になってきたらネイルサロンでリペアもしくは付け替えをしてもらいましょう。
できるだけ衝撃を与えないこと
いくら強度が高くても、衝撃を与えてしまうと折れやすくなります。また、密着度も高いので、折れると同時に爪の表面が剥がれてしまうので注意してください。
とくに、仕事で指先を使う方や毎日家事をする方はネイルに負荷がかかりやすく、先端をぶつけやすいため意識して衝撃を与えないようにしましょう。
浮いてきたらすぐにサロンに相談する
ネイルの根元部分などが浮いてきたら、すぐにサロンに相談してオフもしくは付け替えをしてください。ネイルと自爪に隙間ができると、汚れや水分が溜まってしまい、緑膿菌の繁殖によってグリーンネイルという爪の病気になってしまうこともあります。
また、隙間に髪の毛などがひっかかり剥がれやすくなることもあるので、できるだけ早めにサロンに相談しましょう。
スカルプに必要な爪の長さ
スカルプに必要な爪の長さは、ネイルベッド（爪のピンク色の部分）まであれば十分だといわれています。また、ネイリストの技術によっては、ネイルベッドの半分ぐらいしかない爪でも施術できることもあるようです。
ただし、ネイルベッドよりも自爪が短い場合、スカルプとの接着面が狭いので折れるリスクがあります。そのため、少しでもリスクを減らすのであれば、ネイルベッドの先端まで爪が伸びてから施術を受けるのがおすすめです。
スカルプの持ち期間
スカルプの持ち期間は、約3～4週間といわれています。もちろん、生活状況によって持ち期間には個人差があるので、それ以上持つという方もいるかもしれません。
しかし、綺麗な状態を維持できているとしても、1ヶ月以上付け続けるのはやめましょう。見た目には分からないかもしれませんが、長期間付け続ける爪とネイルの隙間から菌や汚れが入ることもあります。それを放置すると、爪・皮膚の病気やトラブルになることもあるので、最長でも4週間経ったら付け替えましょう。
ただし、ネイルが浮いたり剥がれたりした場合は、持ち期間に関係なくすぐにサロンに連絡し、オフや付け替えの施術をしてもらいましょう。
深爪もできるスカルプを少しでも長持ちさせるポイント
スカルプはジェルネイルよりも値段が高めなので、持ち期間は綺麗な状態を保ちたいという方も多いでしょう。長持ちするかどうかはネイリストの技術も関係しますが、自分でケアをすることも大きく関わってきます。
ここでは、深爪もできるスカルプを少しでも長持ちさせる3つのポイントを紹介するので、参考にしてみてください。
できるだけ爪をぶつけないように気を付ける
スカルプの注意点でも少し触れましたが、爪をぶつけないように気を付けることがポイントです。スカルプはジェルネイルよりも硬い仕上がりになるので、頻繁にぶつけていると折れることもあります。
また、負荷をかけないようにすることも意識してください。たとえば、缶ジュースのプルリングを引くときやテープを剥がすときに爪の先を使うと、リフト（浮き）してしまいます。強度が高いからといって雑に扱うと、3週間持たずに付け替えやオフをしなければならないこともあるので注意しましょう。
水仕事をする際は手袋を付ける
水仕事をする際には、手袋を付けることも重要なポイントです。水でスカルプが落ちるわけではありませんが、自爪や根元が水分を含むことで柔らかくなります。その水分が蒸発して乾燥すると、ネイルとの接着面がずれて剥がれやすくなってしまうのです。
手洗いぐらいであれば大丈夫ですが、食器洗いやお風呂掃除など水に長時間触れる場合は手袋をつけましょう。なお、入浴のときは手袋ができないので、お風呂に浸かるときは手だけ浸けないようにする、もしくは長風呂をしないようにしてください。
保湿ケアを欠かさずに行う
乾燥は爪の大敵なので、保湿ケアを欠かさず行うことも忘れないでください。爪の周りが乾燥すると、スカルプが浮いてくることがあります。ネイルオイルを爪の周りに塗る、ハンドクリームで爪周りをマッサージするなど方法は何でも良いので、こまめに保湿しましょう。
深爪なら「チップオーバーレイ」がおすすめ
深爪の長さ出しの方法としては、チップオーバーレイもおすすめといえます。チップオーバーレイは、チップを土台にしてジェルで厚みをつけて仕上げる施術のことです。
チップオーバーレイは、必要な道具や装着方法などがスカルプとは若干異なります。どういった違いがあるのか、また爪の状態によってはジェルの長さ出しには向かない場合もあるので、チェックしておきましょう。
スカルプとの違い
チップオーバーレイは、自爪の先端にグルー（糊）でハーフチップを接着させて長さを出す方法です。チップが完全に自爪に接着したら、ネイルファイルで自爪との段差を削り、爪全体の形を整えます。
形が整った後は、普通のジェルネイルのように、ジェルやアクリルでネイルデザインの施術を行います。この工程だけでもアクリルリキッドで仕上げるスカルプとは違いますが、もう少し細かい違いを見ていきましょう。
| スカルプ | チップオーバーレイ |
|---|---|---|
長さ出しの方法 | ミクスチャーを使う | ネイルチップを使う |
施術時間 | 2時間前後 | 約1時間半 |
耐久性 | 強い | 弱い |
強度 | 高い | 高い |
ジェルの長さ出しは深爪に向かない場合も
ジェルの長さ出しは、深爪に向かない場合もあるので注意が必要です。ジェルを使った長さ出しでは、ネイルフォームという土台を爪に装着します。装着をするときには、ネイルフォームを爪の隙間に入れるので、深爪の状態によってははめられないことがあるのです。
ジェルがネイルベッドに流れてしまうと、硬化の際に火傷をする可能性もあります。そのため、サロンによっては深爪の状態を見てから、スカルプができるかどうか判断することもあるのです。
チップオーバーレイであれば、チップを爪の上から装着するので、ほとんどの深爪に対応できます。ただし、チップオーバーレイのメニューがないサロンもあるので、スカルプができるか不安という方は予約をするときに必ず確認してください。
まとめ
深爪になってしまうと、自分でネイルを楽しむのは難しいのが実情です。爪は目に入る部分なので、深爪のままでは気分が落ち込んでしまうこともあるでしょう。
スカルプネイルであれば、ほとんどの爪の形状に対応できるので、気になる深爪を解消できるかもしれません。もしスカルプネイルで対応できなくても、チップオーバーレイなど他にも長さ出しの方法があるので、一度ネイルサロンに相談してみることをおすすめします。
ただし、スカルプネイルをするには高い技術力が必要です。経験の浅いネイリストだと、失敗したり思うような仕上がりにならなかったりすることもあるので、経験豊富なネイリストがそろうネイルサロンで爪のおしゃれを楽しんでください。
