海外のSNSで注目を集め、今日本でも大きな話題となっているコミックネイル。ポップな立体感のあるネイルデザインといえばネイルパーツや粘度ジェルを使った3Dが主流でしたが、コミックネイルはマンガやアニメのような2次元の世界を指先で楽しめる不思議なデザインです。
昭和レトロブームもあり、少しノスタルジックな雰囲気を持つコミックネイルに興味を持つ方が増えています。この記事では、コミックネイルの特徴ややり方などを詳しく紹介していきます。
コミックネイルとは?
コミックネイルとは、アニメやマンガの世界で立体感を出すときに使われるアートを施したネイルデザインのことです。リアルな立体感を出す3Dとは異なり、2次元のような立体感を表すアートなので「コミックネイル」と呼ばれています。
海外ではカートゥーンネイルと呼ばれることが多く、マンガやアニメの世界に爪が入り込んだかのように見える、ポップで不思議な感覚を楽しめるネイルです。
コミックネイルの特徴
コミックネイルはただ模様を描くネイルアートとは異なり、2次元の世界をポップに表しているところが大きな特徴です。
ビビットカラーを使用していることが多い
ビビットカラーを使うと指先だけが派手に浮いてしまうので、使いにくいと思う方も多いです。
しかしコミックネイルでは、あえてビビットカラーを用いることでデザインしていきます。淡いカラーをベースに使うと立体感を出すのが難しいですが、ビビットカラーを使うことで陰影を付けやすく、より立体感あるポップな指先を楽しめます。
爪の輪郭を黒線で囲むように縁取っている
爪の輪郭をラインで囲むデザインはよく見かけますが、コミックネイルは「黒線」で囲むのが特徴です。マンガやアニメでは、人も物も風景も黒線で囲み、中に色づけがされています。そのため、ネイルも黒線で囲むことにより、マンガ感やアニメ感を出せます。
影とハイライトを描いている
コミックネイルでは、影やハイライトをあえて「描く」という点が大きな特徴です。
一般的なネイルデザインの場合、ハイライトを入れたい部分にはラメやパウダーを、影にしたい部分にはダークカラーをぼんやり色づけします。そこをあえてホワイトやダークカラーで描くことにより、2次元特有の立体感を出すのが、コミックネイルならではの手法です。
ベースカラーより少し暗めの色で影を入れている
影の部分はブラックやグレーではなく、ベースカラーよりワントーン暗めの色を入れる点もコミックネイルの特徴です。ブラックやグレーで影を描いてしまうと、コミックネイル独特のニュアンスが消えてしまいます。ベースカラーよりも少し暗い色で影を作ることにより、絶妙なトーンの影ができあがります。
マットタイプのトップコートでコーティングをしている
コミックネイルでは、マットタイプのトップコートを使用します。あえてツヤを抑えたマットな質感にすることで、ハイライトと影の部分がさりげなく強調され、マンガやアニメの世界観に近い仕上がりになります。
コミックネイルのやり方
海外はもちろん、日本でも大流行の兆しが見えるコミックネイル。一見難しそうに見えるデザインですが、もちろんセルフネイルでも可能です。以下の項目では、コミックネイルのやり方を紹介していきます。必要な道具を準備して、好きなカラーでチャレンジしてみましょう。
①必要な道具を用意する
まずは必要な道具を用意しましょう。ネイルサロンではさらに多くの道具を使いますが、ここではセルフネイルで必要な最低限の道具と用途を表にまとめました。
道具 |
用途 |
---|---|
コットン |
油分や未硬化ジェルの除去、手指の消毒 |
キッチンペーパー |
サンディング後の爪についたダストの拭き取り ジェルブラシの拭き取り |
消毒用エタノール(除光液) |
爪や手の消毒、油分除去 |
ウッドスティック |
甘皮処理、ジェルのはみだし除去 |
キューティクルニッパー |
甘皮やささくれの除去 |
エメリーボード (粗さ180~240G程度) |
爪の形作りや長さ調整 |
バッファー(粗さ150~240G程度) |
爪の表面を削ってジェルの密着度を高める |
ベースジェル |
自爪の密着を高め、カラージェルを定着させる |
トップコートジェル(マットタイプ) |
カラージェルを塗布後、仕上げに塗る カラージェルを保護してマットに仕上げる |
カラージェル |
自爪を好きなカラーに仕上げる |
ジェルブラシ(細筆・オーバル) |
ジェルを塗る際に使用 |
UV/LEDライト |
ジェルを硬化させる |
未硬化ジェルクリーナー |
未硬化のジェルを拭き取るための溶剤 |
②ベースを整える
まずはベースを整えていきます。時間のかかる作業ですが、ベースが整っていないと仕上がりも汚くなり、ネイルの持ちも悪くなるので丁寧に整えましょう。
1.ハンドソープで手を洗ったら、エタノールを含ませたコットンで、指先や爪を消毒します。爪の表面に油分が残っていると、ジェルの密着度が低下しリフト(ネイルが剥がれる)の原因になるので、しっかり消毒してください。
2.エメリーボードを使い、爪の形や長さを整えていきます。
エメリーボードを往復させて削ると爪が割れる原因になるので、一定の方向に動かしながら削りましょう。
3.形を整えたら、爪の裏側についたバリ(削りかす)をバッファーで取り除きます。バリが残っているとジェルが綺麗に塗布できないので、必ず取り除いてください。
4.次に甘皮やルーススキンを処理します。甘皮は爪と皮膚の間にある皮で、ルーススキンは甘皮の下にある角質皮です。この2つが残っていると、ジェルが綺麗に乗らずにリフトする原因になるので、ウッドスティックやキューティクルプッシャーで優しく押し上げて除去してください。処理をするときは、皮膚や爪を傷めないよう、爪の根元にネイルオイルを塗るのがおすすめです。
甘皮やルーススキンに厚みがある場合は、押し上げた後にキューティクルニッパーでカットします。ささくれがある場合も、キューティクルニッパーで丁寧にカットしてください。
5.爪の根元を整えたら、ジェルの密着度を高められるように、爪の表面を軽く傷つけるサンディングを行います。バッファーを使い、力を入れずに爪の表面を一定方向に動かしながら、全体がうっすらとくもるまで削ってください。
6.最後に、キッチンペーパーを濡らして爪の表面や裏側についているダストを拭き取ります。(ダストブラシがあれば、ブラシを使って払いましょう)
ダストを拭き取ったら、エタノールで爪の表面についているオイルや皮脂を取り除きます。オイルなどが付着している部分にはジェルが乗らないので、必ず取り除いてください。綺麗に拭き取ったら、ベースジェルを均等に塗布し、硬化させればベース作り完了です。
③ベースにしたい色を塗る
ジェルブラシにベースにしたい色を取り、爪に塗布して硬化します。1度塗りでは透け感が出てしまうので、2度塗りをしてしっかりカラーを出しましょう。ベースカラーの色がぼやけていると、後から入れるハイライトや影が見えにくくなり、コミックネイル感が出なくなってしまいます。
また、塗りムラがあると独特な平坦感が出せません。力を入れすぎず、ジェルの表面をジェルブラシで撫でるように引き伸ばしながらカラーを塗布するのもポイントです。
④ブラックのジェルで爪の輪郭を縁取る
ベースカラーを2度塗りしたら、細筆にブラックジェルを取り、爪の輪郭を縁取ります。歪んでしまう場合は、少し描いて硬化、また少し描いて硬化というように、何回かに分けてラインを引くと綺麗に仕上がります。
⑤ホワイトでハイライトを、ベースより少し暗めの色で陰影をつける
光を入れたい部分に、ホワイトジェルで細長いしずく型のハイライトを入れます。ハイライト部分が大きすぎるとコミック感がなくなってしまうので、気持ち小さめにするのがポイントです。
ハイライトを入れたら、ベースより少し暗めの色を、爪の先端から生え際に向けて、しずくの反対型を描いてください。しずくの先端に小さいドットを入れると、立体感が出て本格的な仕上がりになります。
⑥マットタイプのトップコートを塗る
最後にマットタイプのトップコートを塗布します。ツヤタイプのトップコートを使うこともありますが、コミックネイルはマットな質感が特徴なので、マットタイプで仕上げるのがおすすめです。塗り終わったらしっかり硬化して、未硬化ジェルを拭き取れば完成です。
よりおしゃれなコミックネイルが作れるアイデア術
ちょっとしたコツと取り入れることで、コミックネイルがさらにおしゃれに仕上がります。ここでは誰でも取り入れられるアイデアを紹介するので、一味違うコミックネイルを楽しみたい方はぜひ参考にしてみてください。
ハイライト部分にツヤを入れる
ハイライト部分にツヤを入れることでアクセントになり、一味違ったデザインに仕上がります。コミックネイルはマット感が特徴ですが、一部分に細めのツヤを入れることで上品な雰囲気になります。
マットタイプのトップコートを塗布して乾かし、エタノールで拭き取ったら、ハイライトを入れたところにアイシングジェルを載せてみましょう。ベースがくすみカラーの場合は、マグネットネイルを使用するのもおすすめです。指先の角度が変わるたびにハイライト部分がキラっと輝き、おしゃれ度がぐんとアップします。
シンプルなカラーで落ち着いた雰囲気を演出する
コミックネイルといえば、パステルピンク・パステルブルー・イエローなどのポップな淡いカラーを使うのが定番ですが、落ち着いたトーンのシンプルなカラーにすると一味違ったコミックネイルを楽しめます。
たとえば、ベージュ・ブラウン・ワインレッドなどを使用することで、大人の女性にも違和感のないコミックネイルが完成します。カーキ・ダークグリーン・ダークイエローなど、トーンカラーに統一感を出せば、10本すべてをコミックネイルにしてもポップになりすぎず、抜け感のあるアーバンなムードを演出することが可能です。
2Dジュエリーをモチーフにしたデザインにする
少し前に流行ったジュエリーネイルのように、2Dジュエリーをモチーフにするのもおしゃれです。一手間を加えるだけで、カラフルな宝石のようなコミックネイルが完成します。
やり方はとても簡単で、ベースカラーを塗り、爪をブラックで縁取ったら、ホワイトカラーでダイヤやエメラルドなどのカットデザインを描いていくだけです。カットデザインなので、多少線が歪んでも問題ありません。ところどころにハイライトを入れてジュエリーの輝きを演出しましょう。
アンニュイなイラストやデザインを取り入れる
「ベースカラーや2次元の立体感だけではつまらない」という方は、アンニュイなイラストやデザインを取り入れてみましょう。ハート・星のモチーフ・しずく・月などを入れるだけで、ニュアンス感のあるデザインに仕上がります。
ベースカラーと同系色であれば、ネイルシールやフィルムを貼るのもよいでしょう。利き手にイラストやデザインを描くのは難しいですが、ネイルシールやフィルムであれば失敗しにくいです。既存のデザインをカットして貼りつけるだけなので、簡単にニュアンス風コミックネイルが完成します。
数本だけコミックネイルにしてアクセントにする
「10本すべてをコミックネイルにするのは抵抗がある」「子どもっぽくなりすぎるのは嫌」という場合は、数本だけ取り入れて、コミックネイルをデザインのアクセントにしてみましょう。
親指と薬指だけコミックネイルにして残りの指はワントーンカラーにする、ホワイトのフレンチデザインとコミックネイルを交互に取り入れるなど、シンプルなデザインと混ぜることでコミックネイルも抵抗なく楽しめます。一味違った取り入れ方をするとおしゃれ感も高まるので、より注目される指先に仕上がります。
まとめ
コミックネイルは工夫次第でさまざまなテイストを楽しめるだけでなく、見た目にもインパクトの強いデザインです。ワンランク上のおしゃれを楽しみたい方には特におすすめです。アニメやマンガ好きな方はもちろん、普通のネイルデザインに飽きてしまった方も、コミックネイルの新鮮なデザインに惹かれるでしょう。
ベースのワンカラーがムラになったり、爪の縁取りが難しかったりと難しさを感じる方は、ネイルサロンに相談してみてください。セルフネイルでもチャレンジできるので、普段のネイルに気軽に取り入れ、さまざまなデザインを試してみてはいかがでしょうか。