ジェルネイルは爪の強度を高めてくれる効果が期待できますが、爪に衝撃や負荷を与えると、亀裂が入って割れてしまうことがあります。割れてしまった場合、「ネイルオフをしてもらうまで放置するしかない」と諦めてしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし、プロのネイリストでなくても、割れた爪を修復することは可能です。ここでは、ジェルネイルの爪が割れたときの対処法や自分でリペアできる方法などを紹介するので、いざというときに役立ててみてください。
ジェルネイルの爪が割れたときの緊急対処法
ジェルネイルの爪が割れてしまったら、プロのネイリストにリペアをしてもらうのがベストな方法です。割れたジェルネイルの爪は、放置すると深爪になってしまったり、折れてしまったりすることもあるので、早急に対処しなければなりません。
とはいえ、ネイルをしてもらうには予約をしなければならず、すぐに時間を作れないという方もいるでしょう。そこで、ここではいますぐにできる緊急対処法を紹介します。
爪切りで割れた部分を切る
割れた部分は尖って鋭利な状態になっていることが多く、またジェルネイルをしている爪は硬いので、怪我を防ぐためにも割れた部分は爪切りなどで切りましょう。
切るときのポイントは、1回ですべてをカットしないことです。1回でカットすると、爪に大きな負担がかかるため、亀裂が広がってしまう可能性があります。また、範囲を間違えると深く切りすぎてしまうので、尖っている部分から少しずつカットしましょう。
より負担を軽減するには、ニッパーを使うのがおすすめです。ニッパーでカットする場合も同様に、1mm単位でカットするようにしてください。割れた部分の範囲が小さければ、グリッドが粗いネイルファイルで削るという方法もおすすめです。
絆創膏で爪全体を覆う
外出していて、爪切りもニッパーも手元にないという場合は、絆創膏で爪全体を覆うようにして巻き付けましょう。絆創膏は、シール部分を割れたところに貼ってしまうと、剥がすときに爪に負担がかかるので、コットン部分があたるようにしてください。また、サイズが大きすぎると剥がれやすくなり、カバー力も弱まってしまうため、割れた部分にあったサイズの絆創膏を選びましょう。
絆創膏は、割れた爪による怪我のリスクを軽減してくれるだけでなく、雑菌が入るのを防いでくれるので、外出先でも安心です。ただし、あくまでも応急処置なので、自宅に帰ったら必ず爪切りやニッパーなどでカットしてください。
ベースコートで爪を保護する
割れるだけでなく、ジェルネイルが剥がれてしまっている場合は、ベースコートで爪を保護しましょう。ジェルネイルが剥がれると、その部分だけ爪が薄くなってしまいます。そのため、衝撃や負荷がダイレクトに伝わってしまうため、割れ爪の原因になります。
残っているジェルネイルとの段差を埋めるイメージで、少しずつベースコートを塗布してください。範囲が狭く、ハケや筆で塗るとはみ出てしまうようであれば、ウッドスティックや爪楊枝などを使ってみるといいでしょう。ベースコートがない場合は、応急処置としてトップコートやトップジェルだけでも塗っておくと、一時的ですが爪の保護に役立ちます。
なぜジェルネイルをしていても爪が割れるの?
ジェルネイルをしていれば爪が補強されているので、割れないと安心している方も多いのではないでしょうか。たしかにジェルネイルは補強に役立ちますが、何をしても大丈夫というわけではありません。また、自爪の状態によっても割れることはあります。
ここでは、なぜ爪が割れるのかを解説するので、心当たりがある方は今後注意するポイントとして覚えておきましょう。
自爪が伸びている
実は、自爪が伸びた状態だと割れやすいので、注意が必要です。自爪は、フリーエッジ(白い部分)とネイルベッド(ピンク色の部分)に分かれており、この境目部分のストレスポイントは負荷に弱く、亀裂が入りやすいといわれています。そのため、フリーエッジの部分で缶のプルリングを開けたり、掃除などで強い衝撃を与えたりすると、ストレスポイントに少しずつ亀裂が入っていき、最終的に割れてしまうのです。
もともと長い爪は折れやすいので、ジェルネイルをしているとしても油断は禁物です。
ジェルネイルのコーティングが薄い
ジェルネイルは、厚みによって強度が出せるので、コーティングが薄いと割れやすくなります。厚ぼったいと指先が美しく見えないため、ジェルを薄く塗布するのがトレンドですが、薄すぎれば強度も低下します。そのため、爪を補強するにはある程度の厚みが必要です。
プロのネイリストであれば、重ね塗りをしてもそれほど厚ぼったくならないので、薄塗りで補強したい場合はサロンを利用するのがおすすめです。
爪の形を細い形状にしている
爪の形には、オーバル型やアーモンド型、スクエア型などの種類がありますが、爪の形が細いデザインの場合は割れやすくなります。特に、アーモンド型やポイント型などは、ストレスポイントに負荷がかかりやすいデザインなので、割れやすい人は避けたほうが良いでしょう。
強度が高いのは、ラウンド型やオーバル型、より強度を上げたい場合はスクエア型などがおすすめです。
ビジューやパーツを爪の上にのせている
ビジューやパーツを爪の上にのせていると、爪に負担がかかることで割れやすくなります。特に気をつけたいのは、フリーエッジやストレスポイント周辺にのせるデザインです。
爪の先端はもともと負荷がかかりやすいのですが、そこにビジューやパーツをのせてしまうと常に負担がかかっている状態になるので、亀裂が入りやすくなります。また、フリーエッジ部分を支えるのはストレスポイントだけなので、爪先に重めのパーツをのせるようなデザインは避けましょう。
ジェルネイルを長時間つけている
ジェルネイルの持ちは人によって違いますが、付け替え期間には目安があります。付け替えた方が良いとされているのは3~4週間で、この期間を超えても付け替えないと割れてしまうことが多いです。
付け替えるとなると、ネイルオフや新たな施術をするので時間がかかります。そのため、忙しかったり面倒だったりすると、つい放置してしまうかもしれません。しかし、爪の先端まで固いジェルが乗っていて、爪の根元は素のままだと、何らかの衝撃で根元から折れてしまうこともあります。付け替える時間がない場合は、せめてセルフでネイルオフだけでもしておくことをおすすめします。
ジェルネイルの爪が割れたときのセルフリペア方法
ジェルネイルの爪が割れたら、ネイルサロンでリペアをしてもらうのがベストです。しかし、割れた時間帯や自分のスケジュールによっては、すぐにサロンに行けないかもしれません。そんなときには、セルフリペアで一時的に対処する方法があるので、必要な道具や手順を紹介します。
STEP1.必要な道具を用意する
まずは、必要な道具を用意しましょう。ネイルサロンはプロが施術を行うため、さまざまな道具がそろっていますが、セルフリペアでは必要最低限のもので大丈夫です。
- ネイルファイル(180グリッド)
- シルクラップ
- ネイルグルーもしくはレジン
- ベースコート、トップコート
ネイルファイルは1種類でもかまいませんが、できれば爪の形を整えるエメリーボードと、表面の凸凹を整えるスポンジファイルがあると理想です。ほとんどのものは100均でそろえられるので、頻繁にセルフネイルをするわけではない場合、容量の少ないものを100均で購入しておくと良いでしょう。
STEP2.割れた部分をカットする
道具を用意したら、割れて尖っている部分をカットしていきます。一気にカットしようとすると爪に亀裂が入ってしまうことがあるので、負担をかけないように少しずつカットしましょう。ただし、割れた部分の段差があるとリペアが難しくなるので、つながりが良くなるようにファイルで削るのがおすすめです。
STEP3.シルクを貼り付ける
ネイルファイルで段差を綺麗に削ったら、次はシルクを貼り付けますが、その前に亀裂部分にネイルグルーを塗布しておきます。ネイルグルーを塗布するとシルクの密着性が高まるので、より補強力が高くなります。ネイルグルーが乾いたら、亀裂部分のサイズに合わせてカットしたシルクを貼り付けましょう。
シルクは簡単に貼り付きますが、爪からはみ出ている部分はカットしてください。
STEP4.ネイルグルーやレジンをのせる
シルクを貼り付けたら、次はネイルグルーもしくはレジンをのせて、シルクを固定させていきます。ネイルグルーなどがない場合は、クリアジェルやベースジェルでも代用可能なので、持っているものを活用しましょう。ネイルグルーやレジンは、シルクの繊維の間に染みこませるイメージで塗布し、シルクよりも少し広めの範囲に塗るとしっかり固定できます。
STEP5.爪の形・表面を整えてコーティングをする
ネイルグルーやレジンが乾燥したら、凸凹がある部分を整えるために、180グリッドのネイルファイルで表面を優しく削ります。表面が滑らかになったら、トップコートでコーティングをしましょう。他の爪とカラーをそろえたい場合は、ベースコートを塗ってからネイルカラーを塗布し、最後にトップコートで仕上げてください。
また、ジェルネイルでもコーティングできるので、ベースジェルとカラージェル、トップジェルの順番で塗布しても大丈夫です。ジェルを使う場合は、1つずつしっかりと硬化させておくのがポイントになります。未硬化ジェルが出た場合は、ワイプにクリーナーもしくはエナメルリムーバーを染みこませて、しっかり拭き取ればリペア完了です。
ジェルネイルの爪が割れない日頃のケア
ジェルの爪が割れないようにするには、日頃のケアがとても重要です。爪へのダメージは、毎日のケア不足で蓄積してしまうので、しっかりとチェックしておきましょう。
ネイルオイルで爪先を保湿する
日頃のケアで一番大切なのが、ネイルオイルによる爪先の保湿です。指先はほとんどの場合、ずっと空気に触れているため、とても乾燥しやすいパーツです。指先が乾燥すると、当然ですが爪や爪の周りも乾燥するので、ダメージの回復が遅くなってしまいます。
洗顔や入浴後はもちろん、こまめにネイルオイルを塗ってしっかり保湿することで、ダメージを回復させ、割れるのを防ぐ対策になります。ネイルオイルがない場合はハンドクリームで代用できますが、ネイルオイルのほうが浸透しやすいので、できるだけ専用のものを使いましょう。
爪先を酷使しないようにする
スキンケアやメイク、掃除や料理、パソコンやスマホなど、日常生活の中には指先を使う作業がたくさんあります。意識をしていないと、爪先は日常的にかなり酷使されているので、強い衝撃を与えていないとしてもかなりのダメージが蓄積されていきます。
酷使することを防ぐには、爪先を使わないことを意識するのが一番です。特にパソコンのキーボードを打つとき、髪を洗うとき、料理をするときなどは爪先を使いがちなので、できるだけ指の腹を使うことを心がけましょう。
水に触れる作業を控える
水に濡れると爪はふやけてしまうので、できる限り水に触れる作業を控えることも大切です。もし、掃除や料理、洗濯など、どうしても水に触れなければいけない作業をする場合は、ビニール手袋をつけるなどの工夫を行ってください。
ビニール手袋がない場合は、できるだけお湯を使わないようにするのがおすすめです。また、ビニール手袋をつける前に、ネイルオイルやハンドクリームを塗っておくと、よりダメージが抑えられるので試してみてください。
まとめ
爪が割れてしまうと、すべてのジェルネイルをオフしなければいけないと思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、必要な道具をそろえれば、リペアをすることで修復することが可能です。とはいえ、セルフリペアの場合は強度が落ちている可能性もあり、ネイルケアを怠ると再度割れてしまうことがあります。
亀裂が深くなるとセルフリペアで修復するのは難しく、状態によってはネイルオフをしなければいけなくなります。「綺麗な爪を保ちたい」という方は応急処置をした後で、プロのネイリストに処置をしてもらいましょう。