指先のおしゃれを楽しむアイテムとして、ジェルネイルとマニキュアを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。一般的には、手軽にネイルを楽しめるのはマニキュアで、ジェルネイルはネイルサロンで施術してもらうものというイメージがあるかもしれません。
確かに、マニキュアは塗って乾かすだけなので簡単です。しかし、持ちが悪いのでジェルネイルに挑戦したいという方が増えています。
ここでは、ジェルネイルとマニキュアの違いやどちらがおすすめなのか、それぞれの魅力も併せて解説していくので、ネイル選びの参考にしてみてください。
ジェルネイルとマニキュアの違い
ジェルネイルとマニキュアには、以下のような違いがあります。
| ジェルネイル | マニキュア |
---|---|---|
爪へのダメージ | 多少のダメージがある | ダメージはほとんどない |
モチの良さ | 2~3週間 | 2~3日程度 |
デザインの自由度 | ライトを照射するまで乾かないので自由度が高い | 空気に触れると乾燥が始まるので自由度は低い |
固まる(乾く)までの時間 | UVライト 30~60秒 LEDライト 10~30秒 | 一度塗り 20~30分 二度塗り 40~50分 *完全硬化までは数時間かかることもある |
落とす方法 | サンディングやアセトンでオフする | 除光液で落とす |
ここからは、それぞれの違いを具体的に解説します。
爪へのダメージ
爪へのダメージは、マニキュアよりもジェルネイルの方が大きいです。その理由は、ジェルを塗布する前に行うプレパレーションと、オフするときに行うサンディングにあります。
ジェルネイルは、ジェルの密着度を高めるために「サンディング」という、ファイルを使って自爪に傷をつける工程で爪を削って傷をつけるため、ダメージを避けられません。オフをするときには、カラージェルをサンディングするため、さらに爪に負担をかけることになります。
特にセルフネイルの場合、正確な知識がないと自爪を削り過ぎてしまったりオフを雑にしてしまったりすることで、ダメージが大きくなりやすいです。
マニキュアを塗るときにはサンディングをする必要はなく、表面の汚れの拭き取りのみを行います。オフをするときは、除光液を染みこませたコットンで拭き取るだけなので、自爪を削ることはありません。このような違いから、爪へのダメージはジェルネイルの方が大きいといえるのです。
一方で、ジェルネイルをしている間は外部の刺激から爪が守られて補強効果を得られますし、ネイルサロンでは適切な力加減でサンディングをするので、ダメージを最小限に抑えることが可能です。
モチの良さ
モチの良さは、ジェルネイルとマニキュアでは大きく異なります。ジェルネイルは、爪に塗ったジェルを硬化するので、しっかりと密着します。
最低でもベースジェルとカラージェル、トップジェルの3層になっていて、厚みがあるので多少のことでは落ちません。もちろん、水仕事の頻度や指先への負担のかかり具合によって変わりますが、一般的には3~4週間程度は綺麗な状態を維持できます。
しかしマニキュアは、「ただ爪に塗るだけ」のアイテムなので、多少の衝撃で剥がれてしまいます。特に、プルリングを開けたりガムテープを剥がしたりといった、爪の先を使う作業をすると剥がれやすいので注意が必要です。どれほど注意をしても、綺麗な状態を維持できるのは2~3日程度で、それ以上経つと欠けが目立つようになります。
塗り直す時間の余裕がある、いろいろなカラーを楽しみたいというときは、マニキュアでも問題ないかもしれませんが、綺麗な状態を長期間維持したい場合はジェルネイルの方がおすすめです。
デザインの自由度
デザインの自由度は、ジェルネイルの方が高いです。
ジェルというのは、UVライトやLEDライトを照射するまでは固まりません。そのため、マーブル模様やニュアンスネイルを簡単に作れます。立体感のあるデザインができる「アイシングジェル」や「粘土ジェル」、質感を変えられるミラーパウダーやマグネットジェルなど、デザインアイテムも豊富なのでデザインを楽しめます。
マニキュアの場合は塗った瞬間から少しずつ乾燥が始まり、デザインを描いている間に固まってしまうので、セルフでデザインをするのは難しいです。ワンカラーやオフィスネイルであればマニキュアで十分かもしれませんが、デザイン性を重視する場合はジェルネイルの方が適しています。
固まる(乾く)までの時間
固まる(乾く)までの時間は、ジェルネイルの方が短く、マニキュアの方が長いです。ジェルネイルは、メーカーや機種によって違いはあるものの、UVライトの場合は長くても2分、LEDライトの場合は30秒ほどで硬化できます。
マニキュアの場合もメーカーによる違いはありますが、最低でも30分、平均1時間ほど経たないと固まりませんし、完全硬化までは数時間かかることもあります。
最近は速乾性があるマニキュアも増え、早く乾かすためのネイルドライヤーもあるので、もう少し早く乾かすことは可能です。しかし、乾かし方が中途半端だとヨレたり剥がれたりすることもあるので注意しなくてはいけません。
落とす方法
ジェルネイルを落とすときは、サンディング(ジェルを削る工程)ですべてをオフするか、ベースジェルまで削ってアセトンを染みこませたコットンを乗せ、10分ほど置いてからネイルプッシャーなどでオフします。文章にするとそれほど大変な工程に感じないかもしれませんが、1本ずつこれらの工程を行うとかなりの時間がかかります。
サンディングの工程は爪への負担が大きいため、素人が見よう見まねでやってしまうと、爪が薄くなるなどのトラブルが起こるリスクがあるので注意が必要です。
マニキュアを落とすときには、コットンに除光液を染みこませ、マニキュアを拭き取ります。二度塗りをしていると、落とすのに若干時間がかかるかもしれませんが、特に難しい工程はないので素人でも簡単に行えます。
ジェルネイルとは
ジェルネイルとは、合成樹脂で作られているジェルを爪に塗布し、UVライトもしくはLEDライトを照射して硬化するネイルです。ジェルは、基本となるベース・カラー・トップだけでなく、柔軟性のあるソークオフジェルや耐久性が高いハードジェルなどの種類があります。
また、カラージェルにはラメやホロが入っているもの、立体的なデザインができるものなど種類が豊富で、爪を好きなようにアートできるところが魅力です。
ジェルネイルのメリット
ジェルネイルのメリットは、以下の3点が挙げられます。
- 長期間綺麗なネイルを保てる
- いろいろなデザインを楽しめる
- 自爪の補強効果がある
長期間綺麗なネイルを保てる
ジェルネイルは、合成樹脂を硬化して仕上げるので、とにかくモチが良いという特徴があります。多少の衝撃であれば剥がれることはなく、ネイルオイルを塗るなどのケアを続けていれば、3~4週間は綺麗な状態を維持できるところがメリットです。
いろいろなデザインを楽しめる
ジェルネイルはデザイン性が高く、好みのネイルを手軽に楽しめるところがメリットです。ライトを照射しなければ固まらないので、爪の上でカラーを混ぜたり、水玉模様を作ったりするデザインも簡単に作れます。ネイルシールを使っても、上からシアーカラーやクリアカラーを塗布すれば剥がれることはありません。
ラインストーンやシェルなどをしっかり埋め込めるので、パーツを付けても引っかかりが気にならず、派手なデザインを楽しめます。
自爪の補強効果がある
ジェルネイルは、基本的にジェルを3層重ねて仕上げるので、薄い爪を補強してくれるというメリットがあります。爪が薄いと、肌を傷つけたり、何かに引っかかって割れたり欠けたりすることもあるでしょう。しかし、ジェルネイルをすれば爪に厚みが出せるので、爪先の鋭利さもなくなります。外部の衝撃からも爪を守れるので、健康な爪の育成にも役立ってくれます。
ジェルネイルの注意点
ジェルネイルの注意点は、以下の2つです。
- スキルがないと爪へのダメージが大きい
- ものが取りにくくなる
スキルがないと爪へのダメージが大きい
最近は、セルフでジェルネイルを楽しむ方が増えています。しかし、ネイルサロンで施術を行うスタッフが、スクールを卒業したプロであることからもわかるように、ジェルネイルには正しい知識とスキルが必要です。いい加減なやり方や自己流でやってしまうと、爪に大きなダメージを与えてしまう可能性があります。
特に、ジェルを塗布する前やオフするときのサンディングは自爪を削り過ぎてしまうことが多く、薄爪や二枚爪などのトラブルが起こりやすいので注意しましょう。
ものが取りにくくなる
デザインにもよるのですが、ジェルネイルをすると小さいものが取りにくくなります。
ジェルネイルは爪に厚みが出る施術なので、爪の先端が自爪より厚くなります。そのため、爪先を使わないと取れないようなものは掴みにくくなり、爪先を使う作業が行えなくなる可能性が高いです。そもそも、爪先を使うとジェルネイルのモチが悪くなるので、使えない方が良いのですが、仕事などで爪先を使う必要ある場合は注意してください。
ジェルネイルがおすすめの人
ジェルネイルがおすすめの人は、以下のような方です。
- 爪が薄い人
- ネイルをする暇がない人
爪が薄い人
前述していますが、ジェルネイルをすると爪に厚みが出て、自爪を補強する効果が期待できます。薄爪の人でも、簡単に厚みのある強い爪にできるので、自爪へのダメージを減らし健康な爪を育てられます。ただし、セルフだと施術工程で爪に負担をかけてしまう可能性があるので、薄爪改善のためにジェルネイルをする場合は、ネイルサロンで施術してもらうのがおすすめです。
ネイルをする暇がない人
ジェルネイルは仕上がりまでに2時間程度かかってしまいますが、その代わり3~4週間程度持ちます。モチは人によって異なるものの、1ヶ月に1回程度の付け替えで綺麗な爪を維持できるので、ネイルをする暇がない人におすすめです。
マニキュアとは
マニキュアは、「ネイルポリッシュ」や「ネイルエナメル」という名称もある爪のお化粧アイテムです。主成分はラッカー塗料と同じもので、酢酸エチルや酢酸プチルなどの有機溶剤で合成樹脂を溶いて作られています。
マニキュアに使われる有機溶剤は空気に触れると揮発する性質があるため、塗布するときには独特のニオイがあります。
マニキュアのメリット
マニキュアのメリットは、以下の2点が挙げられます。
- セルフで簡単にできる
- コスパが良い
セルフで簡単にできる
マニキュアのメリットは、ポリッシュを塗るだけでいいので、セルフで簡単にできるところです。モチは悪いですが、オフも除光液で手軽に落とせるので、いつでも塗り直せるのも魅力です。
コスパが良い
マニキュアはさまざまなメーカーや化粧品ブランドから発売されていますが、もっとも安いものだと100円ショップで購入できます。カラーのバリエーションも豊富なので、何色そろえてもコスパが良いところも、マニキュアのメリットといえるでしょう。
マニキュアの注意点
マニキュアの注意点は、以下の2点です。
- 完全に乾かす
- ニオイが体に合わないことがある
完全に乾かす
マニキュアが乾くまでの時間は平均1時間程度ですが、完全に乾くまでにはさらに2~3時間ほど必要になることがあります。特に二度塗りをした場合は乾きづらく、ちょっとしたことでヨレたり傷ついたりすることがあるので注意しましょう。
ニオイが体に合わないことがある
マニキュアには有機溶剤が使われており、シンナーのような独特のニオイがあります。少しであれば問題ありませんが、塗る時間やデザインによってはニオイのせいで具合が悪くなることもあるので注意してください。
マニキュアがおすすめの人
マニキュアがおすすめの人は、以下のような方になります。
- 自分でネイルをしたい人
- ネイルにお金をかけたくない人
自分でネイルをしたい人
マニキュアは、付属のハケでポリッシュを塗布するだけでネイルが仕上がります。もちろん、ネイルサロンで施術を受けた方が綺麗に仕上がりますが、難しいスキルは不要なので、自分でネイルをしたい方におすすめです。
ネイルにお金をかけたくない人
マニキュアは100円ショップでも購入できるので、ワンカラーでよければ110円でネイルが完成します。そのため、ネイルにお金をかけずにおしゃれを楽しみたい方におすすめです。
まとめ
マニキュアもジェルネイルも、指先を可愛く彩ってくれるネイルアイテムです。しかし、耐久性や施術時間、デザイン性などに大きな違いがあります。そのため、自分の好みやライフスタイルに合わせて、適したものを選択することが大切です。
デザイン性が高く、ネイルチェンジの頻度を少なくしたいという方には、ジェルネイルがおすすめです。ただし、ジェルネイルは適当なやり方をしてしまうと、逆に爪にダメージを与えてしまう可能性があるので、施術をする場合はネイルサロンに相談してみましょう。