お気に入りのカラーや流行のデザインで指先を美しく、可愛く彩ってくれるネイルは、目に入るたびに気分をあげてくれるファッションアイテムの1つです。おしゃれ上級者ともなると、季節やファッション、イベントごとに、ネイルチェンジがしたくなるかもしれません。
ただし、美しいネイルを保つには、自爪の健康が重要です。自爪が不健康な状態では、マニキュアをしても剥がれやすくなったり、持ちが良いといわれるジェルネイルもリフト(浮き)しやすくなったりするので、綺麗な状態が維持できなくなります。
爪の健康に大きく関わってくる要因の1つに、ネイルを変える頻度が挙げられます。最適な頻度を守らないと、自爪がダメージを受けて薄爪になったり乾燥したりするので、健康な状態が損なわれてしまうのです。
ここでは、ネイルの種類別で変える最適な頻度や、不適切な頻度で起こる症状、トラブルがあったときの対処法を解説します。どれぐらいの頻度でネイルチェンジをすればいいか迷っている方は、参考にしてみてください。
ネイルを変える最適な頻度
ネイルには、ジェルネイルやマニキュア、ネイルシールなど、さまざまな種類があります。変える最適な頻度は、ネイルの種類によって異なるので、ここではネイルごとの変える頻度を紹介します。
ジェルネイルは「3~4週間」がベスト
持ちが良く、長期間でも付け替え不要のイメージのあるジェルネイルですが、変える最適な頻度は3~4週間がベストだといわれています。そのため、3~4週間で付け替えるのが理想的といえるでしょう。
自爪は、1日に0.1mm程度伸びるといわれているので、2週間経過すると、1.5mm程度伸びてしまいます。1.5mmというと、ほとんどわからないと思うかもしれません。しかし、爪の根元が1.5mmも伸びてしまうと、ジェルネイルを施している爪では、境目部分が想像以上に目立ちます。2週間もすると、付け替えたくなるかもしれません。
しかし、ジェルネイルの施術をするときは自爪を削り、オフする際にもベースコートまで削るので、変える頻度が短いと自爪が薄くなってしまいます。薄くなった爪は乾燥しやすいため、付け替えてもリフトしたり、UV/LEDライトの硬化熱を感じて痛みを感じたりすることがあります。爪の厚みによっては、ジェルネイルが施術できなくなることもあるので、3~4週間ほど待って付け替えるのがベストです。
マニキュアは「2週間」がベスト
マニキュアを変える頻度は、2週間がベストです。2週間程度で変えても良い理由としては、自爪を削る工程があるジェルネイルと異なり、マニキュアには削る工程がないことが挙げられます。自爪にもっとも大きなダメージを与えるのは、削るという行為です。マニキュアの場合は、自爪を削ることなく直接ポリッシュを塗布できるので、ジェルネイルよりも短い期間で変えられます。
ただし、いくら自爪を削らないといっても、2週間より短い期間で変えるのはおすすめできません。その理由は、マニキュアをオフする工程にあります。マニキュアをオフする際は、主に除光液が使われます。除光液にはアセトンという成分が含まれており、これには樹脂や油分を溶かす働きがあるので、マニキュアをオフすることが可能です。
アセトンには引火性がありますが、基本的にマニキュアオフで引火性を気にする必要はありません。しかし、樹脂や油分を溶かす働きが強力なので、頻繁に使用すると爪に負担をかけてしまいます。マニキュアを2週間持たせるのは難しいかもしれませんが、変えるまではできるだけ爪に衝撃を与えない、洗剤などを直に使わないなどの工夫をして、変える時期まで綺麗に保つようにしましょう。
ネイルシールは「数日~1週間」がベスト
ネイルシールを変える最適な頻度は、数日~1週間がベストです。ネイルシールは、もともと長期間付けっぱなしにすることを想定していないものが多いため、数週間持たせるほうが難しいかもしれません。そのため、人によっては変える気がなくても、数日間で剥がれたり浮いたりすることもあるでしょう。
もし、付けてから日が浅く、「もったいない」と思っても、剥がれたり浮いたりしたら剥がすことが大切です。後述していますが、そのまま放置した場合、浮いている部分から水分が入り、爪とネイルシールの隙間に爪カビなどが発生してしまう原因となる可能性が高いため、注意してください。
ネイルチップは「1日」がベスト
ネイルチップを変える頻度は、基本的に1日がベストです。1日装着したら、外すのが正しい使い方になります。ネイルチップは、ネイルグルーなど強力な接着剤を使えば、1日以上持たせることも可能です。しかし、ネイルチップは、長期間装着することを想定して作られているものではありません。たとえ持つとしても、付けっぱなしにするのはNGです。
爪とチップの間に水分が溜まりやすいので、衛生面から見ても非常に危険です。数日間付けっぱなしにしてしまうと、菌が発生して爪カビが発生したり、汚れが溜まって悪臭がしたりすることもあります。ネイルデザイン自体はジェルネイルと同じでも、性能はまったく違います。ジェルネイルと同じ感覚で、長期間付けっぱなしにするのはやめましょう。
もし不適切な頻度でネイルを変えると爪はどうなる?
不適切な頻度でネイルを変えたからといって、すぐに大きなトラブルが起こることはありません。しかし、爪はとてもデリケートなので、適当な頻度で付け替えてしまうと、自爪の健康が損なわれるトラブルが起こる可能性があります。
ここでは、どのようなトラブルが起こるかを紹介するので、付け替え頻度を意識していなかった方は、確認しておきましょう。
爪が薄くなる
不適切な頻度でネイルを変えると、ジェルネイルの場合はオフ時のサンディングで、マニキュアの場合は除光液で爪が薄くなることがあります。爪が薄くなると、折れたり割れたりしやすくなるだけでなく、次にジェルネイルをするときに硬化熱を感じやすくなります。
薄爪は、ジェルネイルをすることで補強することが可能です。しかし、ネイルチェンジの頻度が多すぎると、さらに爪が薄くなってしまうので注意しましょう。
爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)を引き起こす
爪は、爪の生え際と根元、両サイド、ハイポニキウム(先端)のお肉で支えられています。これらのお肉の部分から爪が剥がれてしまったり、二枚爪のような状態になったりするトラブルを「爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)」といいます。
不適切な頻度でネイルを変えると、爪の表面を無駄に削ってしまうため、爪が大きなダメージを受けてしまうのです。このダメージによって爪が乾燥すると、支えているお肉から剥離してしまい、爪甲剥離症が起こるリスクがあります。
爪カビが発生する
短期間ではなく、長期間ジェルネイルを付けっぱなしにしてしまうと、それはそれで爪カビが発生する原因になります。爪カビは、バクテリアの一種である「緑膿菌」が爪の表面に繁殖する爪の病気です。
軽度であれば、爪の表面が緑色になる症状しか出ません。悪化した場合は、膿が発生して化膿したり、腐敗臭のようなニオイが発生したりするので、注意しましょう。さらに、そのまま放置をすると、割れや剥がれの原因にもなります。
爪カビが悪化した場合は、完治するまでジェルネイルはもちろん、マニキュアなどもできません。少しでも表面の色味が変色してきたら、すぐに医療機関を受診したほうが良いでしょう。
爪カンジダ症を発症する
ジェルネイルを長期間付けっぱなしにすると、爪カビだけでなく、爪カンジダ症を発症する可能性もあります。爪カンジダ症は、カンジダという菌による感染症の一種で、爪が変色したり先端から剥離したり、炎症を起こしたりする病気です。爪カビと違い、爪の内側に発症するため、ジェルネイルやマニキュアなどをしていると、発見が遅れることがあるので要注意です。
少しでも爪に異変を感じたり、周りに赤みや痛みを感じたりする場合は、医療機関を受診して治療を行ってください。
最適な頻度でネイルを変えられないときの過ごし方
前述のとおり、ネイルを変える頻度は、ジェルネイルであれば3~4週間、マニキュアは2週間、ネイルシールは数日~1週間が最適です。しかし、お仕事や家事、育児などがあると、最適な頻度を守るのはどうしても難しいという方もいるでしょう。
もちろん頻度を守らないからといって、すぐにトラブルが起こるわけではありません。最適な頻度でネイルを変えられないときは、浮かない、剥がれない、折れるが生じない行動を普段の生活で意識することが大切です。
ここでは、どのように過ごせば良いかを紹介するので、日常生活の中で意識してみてください。
洗い物をするときは手袋をする
洗い物をするときは、必ず手袋をするようにしましょう。自爪はもちろん、ジェルやマニキュアなどでコーティングされていても、爪は水にとても弱いという性質があります。
爪の根元からでも水分が入り込むため、自爪が柔らかくなってしまい、ジェルやマニキュア、ネイルシールとの接着面がズレてしまいます。また、洗い物をする際に使う中性洗剤は、油分を落とす力が強いです。爪が根元から乾燥することで、ジェルやマニキュアの密着度を低下させることもあります。
水仕事はネイルの持ちを悪くするだけでなく、自爪が乾燥する原因にもなります。食器洗いをするときだけでなく、浴室掃除や野菜を洗うときなども手袋をするのがベストです。
タイピングやネックレスなど指先を使う作業を控える
あまり意識しないかもしれませんが、指先を使う作業もネイルの持ちを悪くする原因になるので、要注意です。指先は思っている以上にデリケートなので、例えばパソコンでタイピングをするときに爪先で打ったり、ネックレスをつけるときに爪先で留め金を留めようとしたりすると、相当な負荷をかけてしまいます。
ほかにも、缶のプルリングを爪先に引っかけて開けたり、シールの値札などを爪で剥がそうとしたりする作業も、爪にダメージを与える要因になるので気を付けてください。爪先はいっさい使わないぐらいの意識でタイピングをしたり、ネックレスをつけるときは指の腹を使ったり、細かい作業をするときも爪を道具代わりに使わないように心がけましょう。
湿度の高いサウナや岩盤浴などに極力入らない
ジェルネイルやマニキュア、ネイルシールなどは、湿気や水気でふやけて取れやすくなります。長時間の入浴を避けるだけでなく、湿度の高いサウナや岩盤浴などに極力入らないようにしましょう。絶対ダメなわけではありませんが、どうしても入りたい場合は、利用時間を短くするのがベストです。
ネイルオイルやクリームで保湿をする
爪が乾燥すると、ジェルネイルの場合はリフト(浮き)しやすくなったり、マニキュアは剥がれやすくなったりするので、ネイルオイルやクリームで保湿しましょう。保湿は、水仕事後や入浴後だけでなく、空いている時間があったらこまめに行うのがポイントです。
しっかり保湿をすれば健康な爪を育てられるので、ネイルの持ちがぐっと良くなります。
ネイルを変える前にトラブルがあった場合の対処法
ネイルを変える頻度を守ろうと思って、次回ネイル施術を予約していたとしても、予約日前に「浮いてきた」「剥がれた」などトラブルがあった場合は、すぐに対処することが重要です。そのまま放置をすると、爪が途中から折れてしまったり、浮いた部分に水分が付着したりして、よりひどいトラブルになってしまうかもしれません。
状態にもよりますが、トラブルにはセルフで対処できることもあるので、万が一のときのために確認しておきましょう。
ネイルが浮いてきた場合
ネイルが浮いてきた場合は、ネイルグルーで接着をするか、浮いてきた部分を丸くカットしましょう。自宅にネイルグルーがなく、浮いている部分が先端ではない場合、爪とネイルの間に水分が残らないように、水気をしっかり拭き取ってください。
水気が残った状態だと、爪カビや爪カンジダが起こるリスクが高くなります。水分を拭き取るだけでなく、できるだけ早めにネイルサロンで付け直してもらうのがベストです。
ネイルが欠けた場合
ネイルが欠けた場合、トップコートを厚めに塗布して、欠けた部分をカバーするのがおすすめです。トップコートでカバーしきれない欠けであれば、絆創膏を貼りましょう。欠けた部分をトップコートもしくは絆創膏でカバーすれば、引っかかりがなくなるので、それ以上欠けが広がるのを防げます。
ネイルが取れた場合
どのネイルであっても、取れた部分が綺麗につるっと取れているようであれば、そのままでも問題ありません。ジェルネイルのベースジェルが少し残っているという場合は、ネイルファイルで優しく削っておくといいでしょう。
いずれにしても、完全に取れていれば、爪のトラブルのリスクは軽減できるので大丈夫です。ただし、取れる際に爪の表面が剥がれてしまい、薄くなっているようであれば、必ず保湿を行ってください。
まとめ
ここでは、ネイルの種類ごとの変える頻度や、頻度を守らないことによって起こるトラブルなどを解説してきました。
ネイルの種類を選ぶ場合、特にネイルサロンで施術を受ける方は、もっとも持ちがネイルを選択するのが一般的です。ここでいうと、ジェルネイルがもっとも持ちが良いといえます。もしも、ネイルを選ぶ優先順位が持ちではなく、好きなタイミングで変えられることなのであれば、ネイルシールやネイルチップを選ぶことをおすすめします。
逆に、できるだけ長く綺麗なネイルを楽しみたい方は、ジェルネイルもしくはマニキュアにすると良いでしょう。基本的に、どの種類のネイルでもセルフで行うことは可能です。自爪の健康を守りたいという場合は、ネイルの種類に限らず、丁寧かつ正しくオフしてくれるネイルサロンで施術してもらうのがおすすめです。