ジェルネイルをしたり、スカルプチュアネイルで爪を伸ばしたりすれば、いつでも綺麗な爪を楽しめます。ただし、自爪の健康を保つには、たまにお休みも必要です。
素の爪や手先を見ると、ネイルをしているときよりも指が短くなったように感じたり、ずんぐりした自爪に感じたりして、自信が持てなくなってしまうこともあるでしょう。その理由は、「ネイルベッド」という部分が短いからかもしれません。
実は、ネイルベッドが長いと、爪も指もすらっとした印象になるのです。自爪の状態は変えられないと思うかもしれませんが、セルフでもネイルベッドを伸ばせます。
ここでは、爪の印象を大きく左右する、ネイルベッドを伸ばす方法や爪を縦長に見せるデザインを紹介していきます。
ネイルベッドとは
ネイルベッド(Nail bed)とは、爪のピンク色の部分で、日本語では「爪床(そうしょう)」といいます。もう少し詳しくいうと、爪甲がくっついている皮下組織がネイルベッドと呼ばれる部分です。
ネイルベッドが長いと爪が縦長に見えるので、爪はもちろん指もすらっと長く見えます。ジェルネイルをする場合も、ネイルベッドが長ければより映えやすくなるので、美しい指先を楽しめます。逆に、ネイルベッドが短いと爪が横長に見えることから、爪や指がずんぐりしているように見えてしまうのです。
なお、皮下組織であることから、神経や毛細血管が通っています。爪が折れたり亀裂が入ったりして、爪がネイルベッドから剥がれてしまうと、強い痛みが起こって出血することもあります。
横長の爪でもネイルベッドを伸ばせる?
結論からいうと、横長の爪でもネイルベッドを伸ばすことは可能です。成人になると、爪の大きさや形は変えられないと思うかもしれませんが、ケア次第で伸ばせます。
健康な爪はネイルベッドが縦長なのが基本なので、横長になってしまっているのは、ネイルベッドが伸びなくなるダメージや負担を与えているのかもしれません。
伸びない理由は、以下の3つが挙げられます。
<ネイルベッドが伸びない理由>
- 爪を切る際に深爪をする癖がある
- ケア不足や栄養不足で爪が薄くなっている
- 圧力や衝撃などで爪に負担をかけている
このような伸びない理由を放置していると、何をしても伸ばせません。ネイルベッドを伸ばしたい方は、伸びない理由が自分に該当していないかを確認しておきましょう。
ネイルベッドを伸ばすには「ハイポニキウム 」が重要
ネイルベッドを伸ばすには「ハイポニキウム」という部分が重要なポイントです。ハイポニキウムは、爪と指先の皮膚をつないでいる白っぽい薄皮のことで、日本語では爪下皮(そうかひ)といいます。簡単にいうと、ネイルベッドの先端についている皮です。この皮があるおかげで、爪とネイルベッドの間に菌や汚れが入りにくくなります。
このハイポニキウムが伸びると、これにつながっているネイルベッドも伸びてくるので、爪を細長く見せることが可能です。反対に、ハイポニキウムを傷つけてしまうと、ネイルベッドも短くなってしまいます。
ハイポニキウムは深爪をしたり、爪の汚れを爪楊枝などでかき出したりすると、ダメージにより後退してしまうので注意しましょう。
ネイルベッドを伸ばすことで感じる嬉しいメリット
ネイルベッドを伸ばすことで感じる嬉しいメリットは、何といっても指が細く長く見えることです。爪のピンク色の部分が縦に長くなるほどストライプ効果が活かされるので、少し指が短めの方でも美しい印象になります。また、見た目の綺麗さだけでなく、皮膚の炎症が起きにくくなる、爪が割れにくくなることもメリットです。
ネイルベッドが短いと爪が小さくなってしまうので、周りの皮膚に負担がかかります。この負担を軽減するために、指先の皮膚は厚みや硬さを持つようになり、皮膚が厚くなると皮膚炎のリスクが高くなります。また、硬くなった皮膚は乾燥しやすくなるので、爪も乾燥してしまい、割れやすくなってしまうのです。
ネイルベッドを伸ばして爪が大きくなれば、皮膚への負担や乾燥を軽減することが可能です。負担や乾燥がなくなることで、皮膚炎や爪割れのリスクが減るというメリットが得られます。
セルフでネイルベッドを伸ばす方法
爪とくっついている皮下組織であるネイルベッドは、一見どうにもならないように思えるかもしれません。しかし、ネイルベッドが短い、小さいのは、日々のダメージやケア不足が原因だと考えられます。たとえどんなに短く小さくても、何のケアもせずに今の状態ですんでいるならば、ケア次第で伸ばすことも可能です。
ここでは、セルフでネイルベッドを伸ばす方法を紹介します。ネイルベッドの長さに悩んでいる方は、ぜひ今日からケアを始めていきましょう。
爪を短く切りすぎない
ネイルベッドを伸ばすには、爪を短く切りすぎないようにするのが基本です。爪を短く切ると、ハイポニキウムにダメージを与えてしまうため、成長がストップしてしまいます。また、爪が伸びていくのと同時にハイポニキウムも伸びますが、土台となる爪の長さが足りないと、そもそも成長できません。
爪を切るときは、ハイポニキウムの部分まで切っている、もしくはそれ以上の深爪をしている方は、フリーエッジという爪先の白い部分を、2mm程度残すことを意識して切るようにしましょう。
やすりを使って爪を整える
爪を短くするときは、やすりを使って爪を整えることを習慣にしてください。爪切りを使うほうが簡単かもしれませんが、爪切りで切った場合、爪には約26kgの負担をかけてしまいます。また、爪の断面が広くなってしまい、水分が逃げて乾燥しやすくなるので、要注意です。
ネイルベッドが伸びない理由の1つに、爪へのダメージがあります。爪切りは、カーブしている爪を無理やりまっすぐな状態にしてカットするため、大きなダメージを与えてしまいます。このダメージを防ぐには、刺激の少ないファイルや、エメリーボードなどのやすりで整えるのが正解です。
やすりは、爪に対して約45度の角度であてて、一方向に向かって削っていきましょう。のこぎりのように、往復で削ってしまうとダメージを与えてしまうので、力を入れすぎず、やすりの力だけで削るようなイメージで整えてください。
爪の保湿を怠らない ネイルベッドを伸ばすには、爪の保湿が欠かせません。爪や指先が乾燥すると、ハイポニキウムの成長が滞ってしまうため、ネイルベッドが伸びなくなってしまいます。
保湿方法は、爪周りに浸透しやすいネイルオイルがおすすめですが、ない場合はハンドクリームも代用できます。爪や爪の周り、ハイポニキウムがある爪の裏までしっかり塗って、保湿成分を揉み込むように指をマッサージしましょう。
爪先を使った作業を控える
爪先を使う作業は爪に負担やダメージを与え、ハイポニキウムの成長を妨げるので、控えるようにしてください。爪先を使う作業は、以下のようなことが挙げられます。
<爪先を使う作業>
- ラベルやシールを爪先で剥がす
- 炊飯器やレンジなどのボタンを爪先で押す
- パソコンのキーボードを爪先で打つ
- 缶の蓋を開けるときに爪先を使う
- かゆい部分を爪先でかく
- 財布の中からカードを爪先でつまんで取る
こういった作業は無意識にやってしまいがちなので、日常生活の中で爪先を使わないことを意識しましょう。
水仕事をするときは手袋をする
爪の乾燥は、ネイルオイルやハンドクリームで防げます。しかし、水で濡れてしまうと保湿効果がなくなってしまうので、水仕事をするときは必ず手袋をしましょう。
特に気をつけたいのが、食器を洗う水仕事です。食器用洗剤には、油汚れを落とすための石油系界面活性剤が入っています。石油系界面活性剤は、食器の油汚れだけでなく、手の油分まで落としてしまうので、爪の乾燥を引き起こす要因になるのです。
水仕事は、爪にも手にもダメージを与えるので、手袋でしっかり保護しておきましょう。
爪を縦に長く見せるおすすめのデザイン5選
ネイルベッドは、爪にダメージを与えないようにしたり、保湿をしたりすれば、セルフでも伸ばすことが可能です。ただし、すぐに伸びるものではありません。爪はまっすぐ上に向かって伸びていくので、1ヶ月で約3mm伸びるといわれています。しかし、ネイルベッドは上だけでなく、横や斜めなどあらゆる方向に伸びていくものです。丸みを帯びた形を作っていくため、伸びるまでにかなりの時間がかかります。
そこで、ここでは爪を縦に長く見せるおすすめのデザインを紹介します。「伸びるまで綺麗な爪でいたい」という方は、参考にしてみてください。
グラデーションネイル
スタンダードなグラデーションネイルは、爪の先端に向かってカラーが濃くなっていくものです。自然と縦のラインを強調できることから、爪を縦に長く見せられます。
ただし、赤や黒などのはっきりしたカラーは、グラデーションの抜け感がなくなってしまい、縦のラインをあまり強調できません。絶対ダメというわけではありませんが、縦長に見せるためにグラデーションデザインをするのであれば、ピンクやベージュなど肌馴染みのよいカラーを使うのがおすすめです。
もし、爪が短くてグラデーションが難しいという場合は、縦グラデーションにしてみましょう。縦のグラデーションであれば長さがなくてもできて、より縦ラインを強調できます。
肌色に近いヌーディーカラー
肌色に近いヌーディーカラーは、指とネイルとの境目をあいまいにできるので、爪を縦に長く見せる効果が期待できます。ヌーディーカラーは素肌に近い色味のカラーで、ベージュ系やピンク系のものです。
ワンカラーの場合は、ちゅるんとさせることで艶やかな指先を演出できます。アートがほしい場合は、ワンポイントでリングネイルを入れたり、アイシングジェルで細いラインを描いたりすると華やかになります。
フレンチネイル
フレンチネイルは、爪の先端と根元など中間からカラーを変えるデザインなので、爪の長さを強調する効果が期待できます。
ただし、フレンチネイルは一般的に平行なラインを引きます。そのため、先端のカラー部分が太すぎると、逆に爪が短く見えてしまうのです。フレンチにする場合は、先端から数ミリの部分でカラーチェンジをしたり、ラメなどで線を描いたりするデザインをおすすめします。
より縦長に見せたい場合は、ラインが平行ではなく、斜めになっているフレンチネイルがベストです。斜めのラインでフレンチにすることにより、指先がシャープに見えるので、爪のラインも縦長の印象になります。
縦を強調したデザイン
簡単に縦長に見せるには、縦を強調したデザインを取り入れるのがおすすめです。例えば、アイシングジェルでランダムに縦ラインを入れて、ミラーパウダーで擦るだけでも縦長効果が期待できます。
ほかにも、細いラメラインを先端から根元に入れたり、スタッズやパールなどのネイルパーツを縦に並べたりするだけで、縦ラインができあがります。縦を強調するデザインは、きっちりした線を描かなくてもできるので、セルフネイルでも簡単にチャレンジできるでしょう。
爪先にホログラムやラメをのせたデザイン
爪先に、ホログラムやラメをのせたデザインは、視線を爪の先端に集められるので、縦長に見せられます。このデザインは、先端だけにラメをのせるラメフレンチやラメグラデーション、ランダムにホログラムやラメをのせるニュアンスアートなどの種類があります。
ラメフレンチであれば、光の範囲が狭い分、よりラメを際立たせて爪先に視線を集中させることが可能です。ラメグラデーションは、根元に向かってラメが分散されるので、縦の広がりを演出できます。ニュアンスアートは、ランダムにラメを置くことで視線を分散させて、爪の短さをカバーできるデザインです。
どのデザインでも縦長効果が期待できるので、爪の大きさや好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
まとめ
ネイルサロンで爪の長さ出しをしてもらえば、ネイルベッドが短くても、綺麗な指先を演出することが可能です。しかし、仕事の都合や冠婚葬祭などでネイルができないこともあり、爪もたまには休ませる必要があります。
ネイルをお休みしたときに、視界に入る指先に不満があると、気分も下がってしまいますよね。逆にネイルベッドが適度に長ければ、綺麗に整えるだけで、ネイルをしていなくても自信が持てる爪になります。
ネイルベッドを育てるには時間がかかりますが、きちんとケアを続ければ、健康で美しい自爪を手に入れられます。ぜひ、ここで紹介した伸ばす方法を実践してみてくださいね。