ピールオフジェルは、溶剤を使わなくても、ジェルネイルを剥がしてオフできるジェルです。ネイルオフが面倒という方でも簡単にオフでき、普通のネイルオフより短時間で終わるので、気軽にジェルネイルを楽しめます。また、サンディングも溶剤も不要なので、自爪へのダメージを防ぐことも可能です。
ここでは、ネイルオフの負担を軽減できるピールオフジェルのメリットや注意点、剥がしにくくするコツなどを紹介するので、参考にしてみてください。
簡単にオフできる「ピールオフジェル」
ピールオフ(peel off)は、「剥がす・剥離する」という意味で、ピールオフジェルは剥がすジェルのことを指します。ベースやカラーなどのジェルは剥がれないように塗布しますが、ピールオフジェルは「剥がれないジェルを簡単に剥がすため」のジェルです。最近は、ダイソーやセリアなどのネイルアイテムでも発売されているので、セルフネイラーも気軽にチャレンジできます。
塗布して硬化する工程は通常のジェルと同じですが、硬化するとツヤが出たり硬くなったりするほかのジェルと異なり、仕上がりは柔らかく、両面テープのような質感です。
ピールオフジェルを塗っておけば、ネイルオフのときにしなければならないサンディングや溶剤でジェルを溶かすなどの工程がなくなるので、手軽かつ短時間でオフできます。
メリット
ピールオフジェルのメリットは、以下の3つが挙げられます。
<ピールオフジェルのメリット>
- ネイルオフが簡単にできる
- 自爪への負担を軽減できる
- オフ専用のネイルファイルやリムーバーが不要
前述のとおり、ピールオフジェルは剥がすだけでネイルオフができるので、オフが簡単であることがメリットです。また、ネイルオフのときには、トップジェルやカラージェルをサンディングしたり、リムーバーで落としたりする必要があります。しかし、ピールオフジェルはサンディングもリムーバーも不要で、自爪への負担を軽減できることもメリットです。
サンディングやリムーバーを使わないため、わざわざ用意することもありません。ジェルネイルは、ポリッシュネイルよりも使用するアイテムが多いので、オフ時に使うアイテムが不要な点も嬉しいメリットといえるでしょう。
注意点
ピールオフジェルの注意点は、以下の2つになります。
<ピールオフジェルの注意点>
- ジェルの厚みによっては自爪が持っていかれる
- 知らない間に剥がれてしまうことがある
ピールオフジェルは、両面テープを剥がすように、自爪からジェルネイルを剥がせます。ただし、ラメやシェルを埋め込むような厚みのあるデザインの場合、剥がすときに自爪がかなり引っ張られてしまうことがあるので、注意しましょう。
引っ張られないようにするには、できるだけ厚みのないデザインにするか、ある程度までジェルを削って薄くしてから剥がすようにするのがベストです。
一方、知らない間に剥がれてしまうことにも注意が必要です。自爪全体にピールオフジェルを塗布したり、塗布する量が多かったりすると剥がれやすくなるので、ちょっとしたことで剥がれてしまいます。家で剥がれてしまう分には問題ありませんが、外出先で「気が付いたら剥がれていた」となると残念な指先になってしまうので、ピールオフジェルの塗り方や量には注意しましょう。
ピールオフジェルを剥がす際に必要な道具
ピールオフジェルを剥がす際に必要な道具は、下記の3点です。
<ピールオフジェルを剥がす際に必要な道具>
- ネイルオイル
- ウッドスティックもしくはキューティクルプッシャー
- エタノール
これらのアイテムを見れば分かるように、特別用意しなければならないものはありません。
ネイルオイルは、爪の滑りを良くして剥がしやすくするために使いますが、普段のネイルケアでも使います。ウッドスティックやキューティクルプッシャーは、爪とピールオフジェルの間に入れて剥がすためのアイテムです。プレパレーションのときにも使うので、わざわざ用意する必要はないでしょう。
エタノールは、べたべたが残ったときにだけ使うので、ピールオフジェルのスペックによっては用意しなくても大丈夫です。ただ、この3つの道具があれば、安全かつきれいに剥がせます。
【5STEP】ピールオフジェルの正しい剥がし方
ピールオフジェルの正しい剥がし方はメーカーによって異なるので、説明書どおりに剥がしていくのがベストです。ただし、剥がし方に大きな違いがあるわけではなく、基本は以下のような5ステップが正しい剥がし方になるので、確認しておきましょう。
STEP1. 指をお湯につける
まずは、ジェルを柔らかくするために、指をお湯につけましょう。ジェルに柔軟性が出ると、剥がれやすくなります。逆に硬いままだと、剥がすときに自爪に負荷がかかってしまい、傷めてしまう可能性があるので注意してください。
お湯は人肌よりも少し熱めで、時間は爪の柔らかさを目安にすると良いでしょう。
STEP2. 爪周りにネイルオイルをつける
ジェルが柔らかくなったらしっかりと水気を拭き取って、爪周りにネイルオイルをつけてください。このときにつけるネイルオイルは、保湿目的ではなく、爪の滑りを良くすることが目的です。オイルが爪とピールオフジェルの隙間に入り込むことで、ウッドスティック(キューティクルプッシャー)の滑りも良くなるので、負担を軽減しながら剥がせます。
ネイルオイルの種類は何でもいいのですが、できれば刷毛でつけるタイプのものがおすすめです。オイルを含ませた刷毛を爪とジェルネイルの間に滑り込ませるようにして、しっかりと隙間に浸透させましょう。
STEP3. ウッドスティックを使ってジェルを剥がす
ネイルオイルを浸透させたら、次はウッドスティックを使ってジェルを剥がします。剥がすのは、根元もしくは先端からです。自爪が伸びているのであれば、根元から剥がしていくのがベストですが、まだ伸びていない場合は爪の先端を少しカットして、ウッドスティックで隙間を作りましょう。
剥がすときは、無理にウッドスティックを差し込むのではなく、オイルのサポートを受けながら少しずつ滑らせるように差し込んで剥がしてください。もし途中で滑りが悪くなったらオイルが不足しているので、再度足しながら進めていきましょう。
なお、ウッドスティックがない場合は、キューティクルプッシャーでも代用可能です。
STEP4. 爪表面をエタノールで拭き取る
剥がし終わった後、爪にべたべたが残っていたり白っぽく曇っていたりする場合は、まだピールオフジェルが残っている状態なので、エタノールで拭き取りましょう。エタノールをキッチンペーパーなどに染みこませて、べたべたや曇りがなくなるまで拭き取ります。
これは、あくまでも表面にピールオフジェルが残った場合の工程なので、すべての爪に行う工程ではありません。しっかりと拭き取って、すべての爪のジェルを剥がしたら、ネイルファイルで爪の形を整えておきましょう。
STEP5. 指先を保湿する
爪の形を整えたら、最後は指先を保湿しましょう。いくらサンディングや溶剤によるオフをしていないとしても、自爪には多少の負担がかかっています。また、エタノールを使うと、爪や周りの皮膚が乾燥してしまうので、ネイルオイルでしっかり保湿をしてダメージを軽減しておきましょう。
ピールオフジェルがなかなか剝れない場合は?
簡単にジェルネイルを剥がせるのが魅力のピールオフジェルですが、カラージェルやトップジェルの塗り方や相性によっては、なかなか剥がれないことがあります。剥がれないと、つい焦って強引に剥がそうとしてしまうかもしれませんが、無理やり剥がすと自爪にダメージを与えてしまうのでNGです。
剥がれなかったり、剥がしきれなかったりする場合は、その状況に合わせたオフ方法があるので、爪へのダメージを最小限に抑えてオフするようにしましょう。
ここでは、ピールオフジェルが剥がれない場合の対処法を紹介します。
アセトンを含んだ溶剤を使う
ピールオフジェルが剥がれない、もしくは剥がしきれない場合は、アセトンを含んだ溶剤を使ってみましょう。剥がれない場合は、アセトンリムーバーを爪とピールオフジェルの隙間に流し込んでみてください。少し時間を置くと、すんなり剥がれやすくなります。
爪の表面に残っている場合は、アセトンリムーバーをキッチンペーパーやコットンに含ませ、残っている部分を拭き取るときれいに落とせます。
表面のジェルを少し削る
ネイルパーツを乗せたり、シェルやラメを埋め込んだりして、ジェルネイルに厚みがあると剥がれづらくなります。このような状態の場合は、表面のジェルを少し削りましょう。
ジェルの厚みがなくなると、隙間に差し込んだウッドスティックを動かしやすくなるので剥がせます。
ピールオフジェル用のオフ剤を使う
どうしても剥がれない場合は、ピールオフジェル用のオフ剤を使うのがおすすめです。基本的に、ピールオフジェルはオフ剤を使わなくても剥がれますが、塗り方やジェルデザインによっては剥がしづらくなることがあるため、専用のオフ剤が販売されています。
ただし、どのメーカーのものでもオフできるかは分からないので、使っているピールオフジェルと同じメーカーが発売しているオフ剤を使うのがベストです。
簡単に剥がせるピールオフジェルを長持ちさせるコツ
ピールオフジェルを使えば、時間をかけてカラージェルをサンディングしたり、爪にダメージの大きい溶剤を使ったりしなくても、手軽にジェルネイルをオフできます。しかし、簡単に剥がしてオフできるがゆえに、モチが良くないという問題点があります。ただし、ちょっとしたコツを押さえれば、モチを良くすることが可能です。
ここでは、モチが良くないといわれるピールオフジェルを長持ちさせるコツを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
プレパレーションを丁寧に行う
ジェルネイルでもピールオフジェルでも、もっとも大事なのがプレパレーションです。プレパレーションをしないと、ピールオフジェルが剥がれやすくなるので、丁寧に行ってください。
まずは、手と指をハンドソープで洗って清潔な状態にしたら、ネイルクリーナーなどで爪や指先を拭き取ってください。次に、ネイルファイルで爪の長さや形を整え、スポンジネイルなどで爪裏のバリを整えて、滑らかな状態にします。
爪が整ったら、次はウッドスティックやキューティクルプッシャーなどを使って、甘皮を爪の根元に押し上げましょう。余分な甘皮は、キューテクルニッパーでカットをして処理してください。最後は、プレプライマーやエタノールで爪の汚れや油分を拭き取れば、プレパレーションは完了です。
ピールオフベースを薄く塗る
ピールオフジェルを長持ちさせるには、厚塗りをしないこともコツの1つになります。厚く塗ってしまうと、ベースジェルの密着性が低くなってしまい、剥がれやすくなるので注意しましょう。
ピールオフジェルは、ほかのジェルよりも粘着性が高いので、刷毛のジェルをしごいて量を減らしてから塗布するのがおすすめです。
ピールオフベースを爪のキワやエッジに塗らない
ピールオフベースは、爪のキワやエッジに塗らないようにしましょう。爪のキワやエッジはリフトしやすいので、この部分にピールオフジェルを塗ると、すぐに剥がれてしまいます。爪のキワとエッジの部分は2~3mm程度空けて、爪の中央部分だけに塗るようにすれば、剥がれにくくなります。
もし隙間を空けるのが難しいようであれば、キワとエッジ部分についたジェルをウッドスティックなどで拭き取ってから、硬化をすると良いでしょう。
カラージェルやトップジェルはしっかり重ねる
カラージェルやトップジェルは、ピールオフジェルを覆うようにしっかりと重ねてください。カラージェルなどを塗る際、キワは髪の毛1本分ぐらいまで攻めましょう。キワはエッジ部分まで塗って、隙間が空かないようにするのがポイントです。
また、薄塗りを重ねると強度も出るので、剥がれにくくなります。
まとめ
ネイルオフは、サンディングをして溶剤を塗布して時間を置き、ウッドスティックでジェルを剥がしていく、面倒で時間のかかる作業というイメージがあるかもしれません。しかし、ピールオフジェルを使うことで、サンディングをしなくても溶剤を使わなくても、ネイルオイルを塗布してウッドスティックで剥がすだけでネイルオフができます。
また、短時間でネイルオフができるだけでなく、自爪への負担も大幅に軽減できるというメリットもあるので、健康な自爪を育てながらジェルネイルをすることも可能です。塗り方によっては、短期間で剥がれてしまったり、剥がすときに自爪が引っ張られてしまったりすることもありますが、正しく塗れば問題ありません。
ネイルチェンジも気軽にできるので、ネイルオフが面倒と感じる方は、ピールオフジェルでセルフネイルを楽しんでみてください。