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爪トラブルを未然に防ぐには!専門家が教える日常ケアの秘訣

仕事や勉強、家事、育児などに追われていると、爪のトラブルに気がつかないまま放置してしまうこともあるかもしれません。早い段階でトラブルに気がつけば、簡単な処置で治る可能性が高いです。

 

しかし放置している期間が長いと、複数のトラブルが重なったり、治りづらくなったりするので、日常生活に支障が出てきます。また、爪は健康のバロメーターでもあり、単なるトラブルではなく、健康状態が悪化している場合もあるため要注意です。

 

ここでは、爪に起こりやすいトラブルやその原因、トラブルを未然に防ぐための日常ケアなどをご紹介します。健やかな爪になりたい・維持したいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

爪に起こりやすいトラブル

 

爪は表面が滑らかで、ネイルプレート(爪甲)がほんのりとしたピンク色であるのが健康な状態です。しかし、トラブルが起こると、緑や白の斑点ができたり、表面がでこぼこになったりします。少しの変化であれば気がつかないかもしれませんが、爪が滑らかで薄いピンク色をしていない場合は、トラブルになっていることが考えられます。

 

ここでは、爪に起こりやすいトラブルをご紹介するので、自分の爪に当てはまっている症状がないかを確認してみてください。

 

爪の割れや欠け

爪の先端が縦に割れたり、横に欠けたりすることは、経験したことがある方も多いかもしれません。このトラブルは「爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)」という疾患です。最初は先端部分の割れや欠けであっても、重症化すると爪の根元まで割れてしまうことがあります。

 

爪の主成分は、ケラチンというタンパク質です。このケラチンが栄養不足や加齢などで不足すると、爪甲縦裂症を発症してしまいます。また、乾燥によるダメージの蓄積も原因になることがあるため、水仕事をしたり、除光液を使ったりする方も要注意です。

 

二枚爪

二枚爪は、爪甲層状分裂症(そうこうそうじょうぶんれつしょう)と呼ばれる疾患で、爪の先端部分の表面層が薄く剥がれてしまいます。

 

二枚爪の主な原因は、栄養不足や乾燥による水分量の低下といわれています。爪を構成するケラチンが不足したり、水分量が不足している状態で爪を切ったり、大きな負荷をかけたりすると、層が剥がれて二枚爪になってしまうのです。

 

特に、乾燥が原因となることが多いため、湿度が下がる冬に起こりやすいのが特徴です。ただし、人によっては、鉄分不足などで起こる鉄欠乏性貧血の可能性もあるので、注意しましょう。

 

爪の縦筋や横筋

爪の表面に縦筋ができるトラブルは、爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)という疾患です。縦線ができる原因の多くは加齢といわれ、50代頃から発症する人が増えます。基本的に老化現象なので、健康への被害はありません。しかし、進行すると爪が縦に割れてしまうこともあるので、注意しましょう。

 

また爪に横筋ができる場合は、爪母(爪の根元部分)に何らかの異常が起こり、ネイルプレート部分の成長が滞ることで発生するといわれています。横筋の外傷が1ヶ所だけという場合は、爪を噛む、どこかにぶつけるなど外的なことが原因です。すべての指の爪に横線が出た場合は「ボー線条」という症状で、糖尿病や感染症、亜鉛欠乏症などの原因が考えられます。

 

爪表面のでこぼこ

爪の表面が、波打つようなでこぼこや横に溝ができるトラブルは、波板状爪もしくは洗濯板状爪という症状です。このトラブルは、爪母を覆っている皮膚の部分をほかの指で押さえてしまうことが原因なので、特に健康の問題はありません。

 

なお、緩やかなでこぼこではなく、針などで突っついたようなでこぼこの場合は、点状陥凹(てんじょうかんおう)という症状です。円形脱毛症や乾癬が原因だといわれているため、医療機関を受診することをおすすめします。

 

爪の水虫

爪が白くなったり、濁ったりするのは爪の水虫です。これは爪白癬という疾患で、白癬菌への感染が原因となります。手の爪よりも、蒸れたり雑菌が繁殖したりしやすい足の爪に起こりやすいトラブルです。

 

爪が濁るだけでなく、厚みが増して表面がでこぼこになったり、弓のように曲がったりするトラブルが起こることもあります。このような症状は、爪甲鉤彎症(そうこうこうわんしょう)という疾患で、外的衝撃やサイズの合わない靴などが原因です。

 

手の爪が浮き上がり白くなっている場合は、爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)という疾患で、カンジダ感染や接触皮膚炎が主な原因とされています。

 

巻き爪

足の爪に起こりやすいトラブルが、巻き爪です。巻き爪は、爪の両サイドが内側に巻き込まれたような形になる疾患です。初期段階では痛みがないことが多いのですが、長時間歩いたり足に合わない靴を履いたりして、足指やその周りを圧迫すると爪が食い込み、痛みが生じることがあります。

 

この状態を放置すると、爪の周りに炎症が起こる陥入爪(かんにゅうそう)を発症することもあるので、注意しましょう。

 

爪の反り返り

爪が指腹と反対側に反り返るトラブルは、スプーンネイルという症状です。反り返りの原因は、指腹に過度の力が長時間加わることだといわれています。指腹に過度の力が加わると、爪甲はその力を支えられなくなり、反り返ってしまうのです。

 

爪甲の両サイドが皮膚としっかりつながっていれば、指腹に加わる力を支えやすくなります。爪甲の両側の爪を切りすぎないようにすることで、スプーンネイルを予防できます。ただし、鉄欠乏性貧血が原因になることもあるので、爪甲の両側の爪を伸ばしていてもスプーンネイルになってしまう場合は、栄養不足に注意してください。

 

爪トラブルが起きる主な原因

前述したような爪トラブルが起こるのは、以下のような原因が考えられます。

 

<爪トラブルが起きる主な原因>

  • 栄養不足
  • 乾燥
  • 加齢
  • 外的衝撃や圧力
  • 間違った爪の切り方

 

どれか1つでもトラブルが起こることがあり、人によっては複数の原因が重なっているかもしれません。トラブルは原因が分からないと改善できないので、自分に当てはまることがないか見ていきましょう。

 

栄養不足

爪の割れ欠けや二枚爪の原因として考えられるのが、栄養不足です。爪の主成分はケラチンというタンパク質で、健康かつ丈夫な爪を育てるには、亜鉛や鉄分も必要になります。また、これらの栄養素をはたらかせるには、ビタミンやミネラルも摂取しなければなりません。

 

食事制限をするダイエットや偏った食事、不規則な食生活などが続くと、栄養が足りなくなることで爪が弱くなってしまいます。そのため、割れたり欠けたり、層が剥がれる二枚爪が起こりやすいのです。

 

乾燥

爪の乾燥は、さまざまなトラブルを引き起こす原因です。肌の水分が失われると、シワやたるみ、代謝の低下によるニキビやシミなどのトラブルが起こるように、爪も乾燥をすると健康な状態を維持できなくなります。

 

水仕事をしたり、刺激の強い薬剤を扱ったりすることも乾燥を悪化させるので、要注意です。また、近年は頻繁にアルコール消毒をしますが、アルコールは気化するときに水分も一緒に蒸発させるので、爪や指先がより乾燥しやすくなっています。

 

加齢

爪も細胞でできているため、加齢による代謝の低下でトラブルが起こることがあります。

 

肌はターンオーバーによって、古い細胞が新しい細胞と入れ替わることで健やかな状態を保っています。爪も、ターンオーバーをすることで保湿力を維持しますが、加齢でターンオーバーが乱れると水分量が減少し、爪の縦筋などのトラブルが起こりやすくなるのです。

 

外的衝撃や圧力

手先や足先を物にぶつけたり、靴のサイズが合わない靴を履いたりしていると、外的衝撃や圧力によって爪のトラブルが起こることがあります。

 

いくら爪が硬くても、外部から衝撃を受ければ、欠けたり割れたりしてしまうのです。また、つま先が尖っている靴やサイズが合わない靴を履いていると、足の指が圧迫されて巻き爪になってしまいます。トラブルが起こっているようであれば、すぐに靴のデザインやサイズを見直しましょう。

 

間違った爪の切り方

爪を整えるときに爪切りを使っている方は、間違った爪の切り方がトラブルを引き起こしている可能性があります。例えば、爪の両角を鋭い角度でカットしてしまうと、斜めにカットされた両角が伸びるときに皮膚に食い込んでしまいます。その状態で伸びていくと、巻き爪になってしまうことがあるのです。

 

また、爪の先端をネイルファイルで整えず切りっぱなしにすると、層に隙間ができて二枚爪になってしまいます。爪切りを使っている方は、正しい切り方を確認しましょう。

 

爪トラブルを未然に防ぐための日常ケア

たとえ爪トラブルが起こってしまっても、原因を解消したり治療を行ったりすれば、治すことは可能です。しかし、トラブルによってはすぐに治らないこともあります。自分の爪は頻繁に目に入るうえに、人から見られると恥ずかしい思いをするかもしれません。きれいな指先をキープするためにも、トラブルは起こる前に防ぐのが鉄則です。

 

ここでは、爪トラブルを未然に防ぐための日常ケアを紹介するので、実践していないことがある場合は、ぜひ毎日の生活に取り入れてみてください。

 

バランスの良い食事を摂る

バランスの良い食事は、健康な爪を作り、トラブルを予防する効果が期待できます。栄養素を計算するとなると大変ですが、爪のもとであるタンパク質やビタミンABD、亜鉛や鉄分を意識的に摂るようにしましょう。

 

タンパク質は卵や大豆製品、ビタミンは緑黄色野菜や海藻類に多く含まれています。亜鉛は牡蠣や蟹、赤身肉、鉄分はレバーや小松菜などに含まれているので、積極的に摂取することを心がけてみてください。

 

こまめな保湿を行う

保湿は、トラブルを防ぐための基本です。指先の保湿はハンドクリームでも問題ありませんが、爪は角化した細胞なので、できれば専用の保湿ケアアイテムを使うのがベストです。

 

爪周りに浸透しやすいネイルオイルは、コンパクトサイズで持ち歩きやすく、刷毛タイプであれば塗りやすいので、こまめに保湿ケアができます。ネイル美容液には、ケラチンが配合されているものが多いので、スペシャルケアとして活用してみましょう。

 

指ストレッチで血行を良くする

指先は血管が細いので、栄養が行き渡りにくく、そのせいで爪のトラブルが起こることもあります。そこで取り入れたいのが、指ストレッチです。指をストレッチすると、血行が促進されて栄養も行き渡りやすくなるので、トラブル予防に効果的です。

 

<指ストレッチの手順>

  1. 両手の指を合わせて、数秒ぐっと押し合う
  2. 指を1本ずつ、手の甲側に向かって引きながら反らせる
  3. 指の根元から先端まで、軽く押しもみながらマッサージする

 

外的刺激を避ける

物を持つ・触る・叩くなど、指先はほかのパーツよりも外的刺激が多く、洗剤や消毒液などの刺激も受けるため、できるだけ外的刺激を避けることがトラブル予防につながります。

 

水仕事をするときはビニール手袋をする、外出時は紫外線をカットする手袋をする、手洗いや消毒の後は必ず保湿するというような習慣をつけるだけでも、トラブルが起こりにくくなります。

 

爪の切り方に注意する

爪が硬い状態で切ってしまうと爪が割れやすくなり、切れ味の悪い爪切りを使うと負担がかかってトラブルになってしまうので、切り方には注意する必要があります。

 

爪を切るときは入浴後など爪が柔らかい状態で切る、切れ味の良い爪切りを使う、負担をかけないように端から少しずつ切るというのがおすすめです。また、足の爪は先端部分が直線になるスクエアカットが基本です。スクエアカットにすれば、端が皮膚に食い込みづらくなるので、巻き爪の予防につながります。

 

足の爪周りを清潔に保つ

足は靴下や靴などで蒸れやすいので、不衛生な状態にしていると、水虫など雑菌によるトラブルが起こります。菌のトラブルを防ぐためには、足の爪周りを清潔に保つことが重要です。毎日洗っていればある程度は清潔になりますが、週に23回は足用のブラシを使って、足指の間や爪の裏側までしっかり洗いましょう。

 

自分の足に合う靴を選ぶ

足の爪のトラブルに大きく関係するのが靴です。自分の足のサイズに合っていないと、圧迫によって爪が変形したり、ぶかぶかだと指に負担がかかって爪が反り返ったりします。靴は毎日履くものなので、自分の足に合う靴を選んでトラブルを防ぎましょう。

 

まとめ

爪のトラブルが起こってしまうと、見た目が悪くなったり、指を使う作業が滞ったりするだけでなく、ネイルも楽しめなくなってしまいます。トラブルを抱えた指先では人目も気になってしまうので、早めにケアをしましょう。

 

まだ何のトラブルもないという方でも、爪はデリケートなので油断は禁物です。生活習慣が乱れたり、外的刺激を与え続けたりすると、気づいたらトラブルが進行しているというケースもあります。

 

ここで紹介した日常ケアを参考に、爪のトラブルを予防しましょう。それでも心配という方は、ネイルサロンで定期的にケアを受けて、爪の状態を確認してもらうのがおすすめです。

 

お住まいの近くにある店舗を、是非ご確認下さい。

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