ジェルネイルやマニキュアで爪をきれいにしたいけど、「職場で禁止されている」「アレルギーがあってできない」などの理由で、諦めている方も多いのではないでしょうか。
ジェルネイルやマニキュアをすれば、手軽におしゃれで美しい爪に仕上がりますが、爪を磨くだけでも十分に美しい指先にすることが可能です。
また、デザインネイルをする場合でも、ボロボロの自爪より、しっかりと磨いて整えておいたほうがきれいに仕上がります。しかし「どのように磨けばいいのか分からない」「爪が薄くなるかも」などのデメリットが気になることもあるでしょう。
ここでは、爪磨きのメリット・デメリットや正しい爪の磨き方、磨く際の注意点などを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
爪磨きのメリット
「爪を磨くのは面倒くさい」「爪を磨いても意味がない」と思う方もいるかもしれませんが、実はたくさんのメリットがあります。
爪磨きのメリットは、以下の3つが挙げられます。
<爪磨きのメリット>
- 爪にツヤが出て指先がきれいに見える
- ネイルポリッシュをムラなく塗れる
- 爪切りよりも爪への負担が少ない
それぞれを具体的に見ていきましょう。
爪にツヤが出て指先がきれいに見える
爪を磨く一番のメリットは、ツヤが出て指先がきれいに見えることです。爪は、どんなに健康な状態でもツヤはなく、マットな質感になっています。しかし、磨くとクリアネイルを塗ったようなツヤが出るので、光の当たり方や見え方によって指先が美しくなります。
ネイルポリッシュをムラなく塗れる
爪磨きは、ネイルポリッシュをムラなく塗れるというメリットもあります。ネイルポリッシュがムラになるのは、塗布するときの力の入れ方にムラがあるだけではなく、表面の状態も影響しています。表面がでこぼこだったり、細かい傷がついていたりすると、力を均等に入れて塗ってもムラが出てしまうのです。
しかし、爪を磨いて、でこぼこや傷をならせば均等に塗れるので、ムラなく美しい仕上がりになります。
爪切りよりも爪への負担が少ない
爪磨きをするときは、最初にネイルファイルややすりで長さを整えるので、爪切りよりも負担が少ないというメリットが得られます。
爪は、表面となる上層と中層、下層の三層構造になっており、爪切りで直角にカットしてしまうと、その衝撃で層が剥がれてしまいます。そのため、負担がかかることで二枚爪や割れが起こるのですが、ネイルファイルで整えればカットする負担がかかりません。ダメージも抑えられるので、健康な爪の成長にも役立ちます。
爪磨きのデメリット
指先がきれいに見えて爪への負担が少ない、ネイルポリッシュの塗りムラもなくせるとなれば、爪磨きにはメリットしかないと思うかもしれません。しかし残念ながら、以下のようなデメリットがあるのも事実です。
<爪磨きのデメリット>
- 爪が薄くなる
- 爪の表面が傷つく
ここでは、これらのデメリットについて解説するので、これから磨こうと思っている方はチェックしておきましょう。
爪が薄くなる
爪磨きのデメリットは、爪が薄くなることです。爪磨きでは表面を削るので、どんなに丁寧に優しく削っても薄くなってしまいます。
ただし、1回でぺらぺらになるほど薄くなるわけではありません。爪は日々成長するので、時間をおけば削った分は元に戻るため、やりすぎなければ薄くなるデメリットはほぼないといえるでしょう。
爪の表面が傷つく
使用するグリット数を間違えると、爪の表面が傷つくというデメリットが生じます。
爪磨きは、最初に目の粗いネイルファイルを使い、最後に目の細かいネイルファイルで整えるのが鉄則です。そのため、目の粗いネイルファイルだけしか使わないとなると、表面を傷つけるだけでツヤが出せません。また、目の粗いもので強く削りすぎてしまうと、細かい溝がたくさんできてしまうので、グリット数や削る強さには十分注意してください。
爪磨きの選び方
爪を磨くアイテムはネイルファイルが主流ですが、目の粗さによって仕上がりが異なります。また、ペーパー素材だけでなく、ガラス素材のものや金属素材などもあるので、どれを使えばよいか迷ってしまう方も多いでしょう。
爪磨きのアイテムは、それぞれ磨き方や使用時間、使用感、コストパフォーマンスなどが違うので、自分が求めるタイプのものを選ぶのが正解です。ここでは、グリット数と素材ごとの仕上がりを紹介するので、アイテム選びの参考にしてみてください。
グリット数で選ぶ
グリット数は、ネイルファイルやペーパー素材の粗さを表わす単位です。グリット数の数値が小さいと目が粗い、大きくなると目が細かいと覚えておくとよいでしょう。
100G前後のものは粗いので、ジェルネイルのオフに使われるのが一般的です。自爪の形や長さを整える場合に使われるのが180~240Gで、表面のでこぼこをならすために使われるのは1,000G以上となります。
ただし、いきなり1,000G以上のものを使っても、爪の形や表面が整っていないときれいな仕上がりにはならないので、目の粗いものから順番に使うのが基本です。そのため、仕上がり重視する場合は、両面でグリットが異なるものや、多面体で面ごとに目の粗さが異なるものを選ぶとよいでしょう。
素材で選ぶ
爪磨きの素材はいろいろありますが、一般的に使われるのは「ペーパー素材」「ガラス素材」「金属素材」の3種類です。それぞれに特徴やメリットがあるので、チェックしておきましょう。
【ペーパー素材】
<特徴>
- ストレート・・形が真っ直ぐなので持ちやすく安定感がある
- ブロック・・・それぞれの面でグリッド数が異なるので、これ1つで磨ける
- ダイヤ・・・ひし形なので、太い部分は爪の広い面、細い部分は爪の細部で使い分けができる
<メリット>
- 素材が柔らかいので削りやすい
- 異なるグリット数がセットになっているものが多いので、そろえる必要がない
【ガラス素材】
<特徴>
- 水洗いができるので衛生面を保てる
- 片面ごとにグリット数が異なる
<メリット>
- 繰り返し使えるのでコストパフォーマンスがよい
- 力を入れず削れるので爪へのダメージが少ない
【金属素材】
<特徴>
- 耐久性に優れている
- 力を入れやすい
<メリット>
- 目が粗いものが多いので、1度でしっかり削れる
- 短時間で長さや形を整えられる
正しい爪の磨き方
爪磨きのデメリットを回避するには、正しい磨き方をマスターするのが一番です。正しい磨き方というとハードルが高く感じるかもしれませんが、必要な道具と工程、やり方を覚えれば簡単にできます。
マスターすると「ちょっとくすみが気になる」「少しきれいにしたいな」というときに気軽に磨くことが可能です。ここでは、ダメージを最小限に抑えて美しく仕上げる方法を紹介します。
STEP1. 必要な道具を用意する
まずは、必要な道具を用意しましょう。
<必要な道具>
- ニッパー
- エメリーボード(ネイルファイルでもOK)
- バッファー
- シャイナー
- ウッドスティック
- ネイルプッシャー(綿棒でもOK)
- キューティクルオイル(ハンドクリームでも代用可)
この中でも、特に爪の形や長さをそろえるためのエメリーボード、爪の表面を磨き上げるためのバッファー・シャイナーは必須です。ほかのアイテムは家にあるもので代用できますが、エメリーボードやバッファーなどは必ず準備しておきましょう。
STEP2. エメリーボードで爪の形を整える
最初は、エメリーボードで爪の形を整えます。グリット数は、180~240Gの粗いものを使ってください。
軽くエメリーボードを持って、削りたい部分に45度の角度であてたら、一方向のみ動かしましょう。往復させてしまうと爪にダメージを与えてしまうため、必ず決まった方向だけに動かして少しずつ削り、形を整えていきます。
STEP3. キューティクルを処理する
爪の形が整ったら、次はキューティクルを処理します。ネイルプッシャーもしくはウッドスティックを使い、爪の根元についている、白く変色したルースキューティクルを押し上げます。どちらも持っていない場合は、綿棒を使いましょう。
甘皮部分にルースキューティクルがたまったら、ニッパーを使ってカットします。このとき、ルースキューティクルだけでなく甘皮までカットしてしまうと、傷から雑菌が入ったり、爪が乾燥しやすくなったりするので、カットしすぎないよう気をつけましょう。
STEP4. 爪の表面にバッファーとシャイナーをかける
キューティクルを処理したら、バッファーとシャイナーで仕上げていきます。
バッファーはシャイナーより少し目が粗いので、表面の傷やでこぼこを整えるために使います。爪には縦筋が多いので、横方向に磨きましょう。バッファーを全面にかけたら、最後はシャイナーを軽く持ち、粗い面から使って細かい面でツヤを出してください。また、爪はカーブしているので、サイドも忘れず磨くようにしましょう。
STEP5. ネイルオイルやクリームで保湿する
最後は、ネイルオイルもしくはハンドクリームなどを使って、保湿をします。いくらダメージが少ないといっても、やすりをかけると表面やサイドが削られてしまうので、保湿をしなければ乾燥してしまいます。乾燥は爪トラブルの元なので、必ずオイルやクリームで保湿をしましょう。
爪を磨く際の注意点
いくら正しいやり方をマスターしても、NGなやり方を取り入れてしまうと、爪が薄くなったりきれいに磨けなかったりするので注意しましょう。爪を磨く際の注意点は、以下のとおりです。
<爪を磨く際の注意点>
- ネイルファイルは目が粗いものから使う
- 爪磨きは適度な頻度で行う
- 爪のでこぼこをすべて削らない
- 同じ部位を過度に磨きすぎない
ここでは、これらの注意点について解説します。
ネイルファイルは目が粗いものから使う
前述していますが、ネイルファイル(エメリーボードやバッファー)は目が粗いものから使うのが鉄則です。目が細かいものから粗いものの順番で削ってしまうと、表面に傷がついて汚くなってしまいます。
ネイルファイルは、グリット数が小さいと粗く、大きいと細かくなるので、180Gのものを使ったら次は240G、最後は1,000G以上のもので磨くことを覚えておきましょう。もしグリット数が分からなくなってしまった場合は、指で表面を触って、ざらざらしているものから使うようにしてください。
爪磨きは適度な頻度で行う
爪磨きは、適度な頻度で行いましょう。毎日磨いてしまうと、爪がどんどん薄くなってしまいます。適度な頻度の基準はありませんが、基本的にツヤがなくなったときが磨くタイミングです。ツヤがあるうちは磨かなくても大丈夫なので、磨きすぎに注意してください。
爪のでこぼこをすべて削らない
爪に縦線が入っていたり、でこぼこしていたりすると、すべてを削って平らにしたくなりますが、これはダメージを与えるのでNGです。
縦線やでこぼこをきれいにするには、健康な爪を育てるしかありません。削って直そうとすると、乾燥したりダメージに弱くなったりするので逆効果です。縦線やでこぼこは、ネイルファイルである程度ならすだけにして、後はネイルオイルなどで保湿ケアをしながら、健康な爪を育てるようにしましょう。
少しでこぼこしていても、シャイナーで仕上げればツヤが出るので、気にならなくなります。
同じ部位を過度に磨きすぎない
同じ部位を過度に磨きすぎるのも、爪にダメージを与えるのでNGです。シャイナーは、使えば使うほどツヤが出るイメージがあるかもしれません。しかし、いくら目が細かいといっても、使えばその分削れるのでダメージになってしまいます。同じ部位を磨きすぎると、その部分はどんどん薄くなってしまうので、ツヤが出たら磨くのは止めましょう。
過度に磨くより、ツヤがなくなったら磨くほうがダメージは軽減され、健康な爪の成長につながります。
まとめ
爪は、デザインネイルをしていないと、美しく見えないと思っている女性も意外に多いかもしれません。しかし、爪の形を整えてきれいに磨き上げるだけでも、清潔感があって健康的な印象になるので、それだけで美しい爪に見えます。たとえすっぴん爪でも、艶やかに整えていれば、自分の気分も上がるかもしれません。
ただし、爪を磨くには、ある程度表面を削らなくてはならないので、セルフで行う場合は注意点をしっかり守りましょう。磨いた後のネイルケアも怠らないようにすれば、深爪やでこぼこ爪も健康に成長するので、自信が持てる爪を目指しましょう。