人が何かを見るときは、先端に目がいく習性があるといわれています。食事や買い物をしているときだけでなく、会話をしているときでさえ、手元を見られている可能性があるのです。
どんなにメイクやファッションが完璧でも、手が荒れていたりしわしわだったりすると魅力が下がってしまうでしょう。だからこそ目指したいのが、手元美人です。ここでは、第一印象をアップさせる、手元美人になるための必須ポイントを解説します。
手元美人になるためには毎日のケアが大切
「顔はしっかりお手入れをしている」という方でも、手をしっかりお手入れしている方は少ないかもしれません。手のケアはしているものの、ハンドクリームを塗るぐらいという方も多いでしょう。
もちろん保湿は大事ですが、ただ油分を塗るだけでは完璧なケアといえません。次項から紹介するケアは6つの工程があるため、理想の指先や手元をイメージしながら取り組んでみてください。
ここでは、理想的な指先や手元の特徴を解説するので、ご自身の手元が理想に近いかどうかを確認してみましょう。
理想の指先・手元の特徴
理想は人それぞれ違うので、どのような手元が美しいと感じるかは人によって異なります。一般的に理想とされるのは、適度なハリがあってシミやシワがなく、透明感のある手です。
一番イメージしやすいのは、ハンドクリームや手袋などのモデルさんです。ハンドモデルの手はくすみのない色白で、ネイルもきれいに切りそろえられ、健康的な色をしています。
基本的に細く長い指なので、それが美しさを際立たせるかもしれません。しかし、指が短かったり、太かったりしても、きちんとお手入れをすれば理想の手元に近づけるでしょう。
手元は老化が目立ちやすい
手は、家事をすれば熱や水にさらされ、衣類を触れば水分が奪われます。パソコンやスマホを打つときにもダメージを受け、握ったり持ったりする動作でも負担をかけてしまいます。指や手はほかのパーツよりも小さいですが、思っている以上に負担が蓄積されているのです。
そのため、お手入れをしないと、年齢に関わらず老化していきます。また、どんなシチュエーションでも目につくことから、手元の老化は目立ちやすいというやっかいな特徴があります。
手入れ不足による乾燥やくすみ・シミ・シワ、血管が老け見えする要因となるので、しっかりお手入れをして、若々しい手元を目指しましょう。
手元美人になるためのハンドケア方法①手洗い
手元美人になるためのハンドケア方法の基本は、手洗いです。手を洗うと、肌が乾燥するイメージがあるかもしれません。しかし、いろいろなものを触る手は、想像以上に汚れや雑菌がついている可能性があります。
汚れや雑菌がついている状態でハンドクリームなどを使ってしまうと、逆に肌トラブルを起こす可能性もあります。まずは手洗いをして、清潔な状態にリセットすることが大切です。
効果・目的
手洗いによる効果・目的は、ハンドクリームに含まれる保湿成分の浸透をスムーズに促すことです。顔のスキンケアでも顔を洗っていないと、化粧水や美容液の成分の浸透が妨げられてしまいます。手も同様で、しっかり洗わないとクリームの保湿効果が邪魔されてしまうのです。
また、爪には雑菌が繁殖しやすいので、手を洗うことは雑菌トラブルを防ぐ効果も期待できます。
洗い方
近年、感染症対策のために手洗いをすることは、スタンダードになっているかもしれません。しかし、慣れすぎて適当な洗い方をしている可能性もあるので、今一度洗い方の手順を確認しておきましょう。
<洗い方の手順>
- 手を水で濡らしたら、ハンドソープをたっぷり泡立てる
- 手のひらをこすりあわせる
- 手の甲を反対側の手でまんべんなくこする(左右同様)
- 指先と指の間をしっかりこすりあわせる
- 左手の指先と右手の指先をクロスさせて指の間をこする
- 親指から小指までねじり洗いをする
最後まで終わったら、指先や指の間も忘れずに、すべてのハンドソープをしっかり洗い流しましょう。ハンドソープの成分が残っていると、手荒れの原因になるので、完全に洗い流してください。
洗い終わったら、清潔なタオルを使って指を1本ずつ拭き上げ、手のひらのシワや手の甲まですべての水分を拭き取ります。水分が残ると、肌の乾燥が引き起こされるので、水気がなくなるまで優しく拭きましょう。
手元美人になるためのハンドケア方法②保湿
しっかり手を洗ったら、次はハンドクリームを使った保湿を行います。ハンドクリームは、たくさんのブランドから発売されているので、何を基準に選べばいいか悩んでしまうかもしれません。
保湿成分は、硬くなった角質を柔らかくする効果が期待できる尿素や、水分の保持力を高めてくれるグリセリン、肌にうるおいを与えてくれるヘパリン類似物質などがあります。ご自身の手の悩みにあった成分が配合されているものを選びましょう。
ただし、ハンドクリームはできるだけこまめに使ったほうが良いので、塗り心地や香りなどで選ぶのもおすすめです。
効果・目的
保湿をする効果・目的は、手のうるおいの保持です。手を洗うと、水分の蒸発を防ぐ皮脂まで落ちてしまうので、肌はバリア機能が低下しています。そのため、ハンドクリームで保湿をしないと、手のうるおいがなくなってしまうのです。
保湿をした肌は、水分が保持される状態になるので、キメが整います。キメが整うとトーンアップするため、透明感も実感できるでしょう。なお、保湿はケアをするときだけでなく、水仕事や普通の手洗いの後などにも塗るようにするのが理想です。
ハンドクリームの塗り方
ハンドクリームは、手洗いの水分を拭き取ったら、早めに塗るのがベストです。時間をおいてしまうと、その間に肌の水分が蒸発して、乾燥が引き起こされるため注意しましょう。
塗り方の手順は、以下のとおりです。
<塗り方の手順>
- ハンドクリームを適量手にとる
- クリームをとった手と反対側の手の甲と手のひら全体に塗る
- 指を1本ずつ手のひらでつかみ、付け根から爪のサイドまでしっかり塗り込む
- 手のひらで肌を包み込んで全体的にクリームを浸透させる
手は、指の関節や付け根、手の甲や手のひらのシワなど凹凸があるので、塗り残しがないようまんべんなく塗り込んでください。
保湿用手袋の使い方
肌の乾燥がひどい場合は、保湿用手袋を使いましょう。保湿用手袋はいろいろな種類がありますが、ハンドクリームと併せて使う場合は、肌に優しい綿100%のもの、さらに浸透を高めたい場合はビニール手袋がおすすめです。
綿の保湿用手袋であれば、ハンドクリームを塗った後に手袋をつけるだけでケアできます。保湿効果を高めてくれるビニール手袋の場合は、以下の手順で一工夫しましょう。
<使い方の手順>
- タオルを濡らして絞り、電子レンジで温めて蒸しタオルを作る
- ハンドクリームを塗った後に白色ワセリンを手全体に馴染ませる
- ビニール手袋をはめる
- 蒸しタオルをビニール手袋の上からかける
- 約10分放置したら手袋をはずす
手元美人になるためのハンドケア方法③マッサージ
手元美人を目指すのであれば、ハンドクリームを塗って終わりではなく、マッサージをプラスすると良いでしょう。
マッサージをする際に使うクリームは、摩擦を軽減するために、柔らかく伸びが良いテクスチャーのものを選びましょう。また、マッサージ効果を高めるには香りも重要なので、ご自身がリラックスできる香りのものを使うのがおすすめです。
クリームではマッサージしにくい場合、オイルでも大丈夫です。
効果・目的
マッサージの効果・目的は、老廃物の排出を促し、むくみを改善することです。
前述のとおり、手や指は日常生活の中で動かす機会が多いので、疲労によってむくみやすくなっています。このむくみを放置すると、ハリのないぼてっとした手になることがあります。マッサージをすると、疲れの解消やむくみ改善効果が期待できるので、細くすらっとした指先に近づけるでしょう。
また、手にはツボがたくさんあるので、マッサージによるリラックス効果も期待できます。
マッサージ方法
ハンドマッサージをするのに、強い力は必要ありません。力を入れてしまうと、逆にマッサージをしている方の手が疲れてしまうので、適度な力で行いましょう。
<マッサージの手順>
- クリームもしくはオイルを適量手にとり、手の甲と手のひらから肘まで塗る
- 手先から手首、肘まで位置をずらしながら手のひらで握って圧迫する
- 手のひら全体を親指や拳で押すように揉みほぐす
- 親指と人指し指の間の骨があたる、凹んだ部分のツボを反対の手の親指でつかんで揉む
- ほかの指の間もしっかり揉む
- 指を1本ずつ、根元から指先まで圧をかけながら揉みほぐす
- 爪の表面を軽く押して刺激する
マッサージをする中で、凝って固まっている部分やむくんでいる部分があれば、重点的に揉みほぐして柔らかくしましょう。
手元美人になるためのハンドケア方法④ネイルケア
手元美人になるには、ネイルケアも欠かせません。どんなにキメの整ったきれいな肌でも、爪のツヤがなかったり、伸ばしっぱなしだったりすると手元美人とはいえないので、しっかりケアをしましょう。
効果・目的
ネイルケアの効果・目的は、爪の表面を滑らかにしてツヤを出し、爪まわりを整えることです。爪はケアをしないと、表面がでこぼこになったり、ツヤを失ったりします。また甘皮がたまると、爪まわりががさがさになってしまうでしょう。
爪はパーツとしては小さいですが、きれいに整えれば清潔感のある手元に仕上がります。
ネイルケア方法
ネイルケアをするには、下記のアイテムをそろえておきましょう。
<ネイルケアに必要なアイテム>
- エメリーボード
- ネイルバッファー
- ネイルプッシャー
- ネイルニッパー
- ネイルオイル
ネイルケアの手順は、以下のとおりです。
<ネイルケアの手順>
- エメリーボードで爪の長さをそろえる(先端の白い部分は2~3mm程度残す)
- ネイルバッファーの粗い面を使って表面のでこぼこを削る
- ネイルバッファーの細かい面で表面を磨く
- ネイルプッシャーで爪の根元の甘皮を押し上げる
- ネイルニッパーで余分な甘皮をカットする
- ネイルオイルを爪まわりに塗って保湿をする
手元美人になるためのハンドケア方法⑤紫外線対策
手は紫外線にさらされるため、何もしないとシワやシミができてしまいます。紫外線は夏だけでなく、春から秋まで降り注ぎ、油断すると日焼けをしてしまうため、注意しましょう。
効果・目的
紫外線対策の効果・目的は、紫外線をカットして活性酸素の活性化を防ぐことです。活性酸素は、肌の老化を進行させるといわれており、シワやシミの原因になるのです。また、紫外線を浴びると、肌を守るためにメラニン色素が生成されます。メラニン色素が沈着すると肌が浅黒くなってしまいますが、紫外線をカットすることで、白肌を目指す効果も期待できます。
日焼け止めの塗り方
日焼け止めは、ハンドクリームを塗った後に塗るのが正解です。ハンドクリームで保湿をして、日焼け止めで紫外線対策をしましょう。
手のひらに適量の日焼け止めをとったら、反対側の手の甲と指に塗ります。このときに塗りムラがあると、その部分だけ日焼けをしてしまうので、シワの間までまんべんなく塗るようにしてください。
手元美人になるためのハンドケア方法➅インナーケア
爪は健康のバロメーターともいわれ、肌は内側の影響も受けるので、手元美人になるにはインナーケアも重要です。
基本的に、肌は外側から栄養や水分を与えられません。どんなに保湿をしても、睡眠不足や運動不足は肌荒れの原因になります。また、内側から栄養を与えないと水分保持ができないので、美しい手元を作るインナーケアを欠かさないようにしましょう。
効果・目的
インナーケアの効果・目的は、睡眠や運動による細胞の活性化や、栄養素・水分をしっかり摂取することで、内側から爪や肌をきれいにすることです。また、栄養素を補うことで、ダメージに強い爪や肌を育てる効果も期待できます。
水分の蒸発は保湿で防げますが、水分不足や水分を保持する成分が減少すると、爪も肌も乾燥します。栄養素不足は、ダメージに弱い爪や肌になってしまうリスクがあるので、インナーケアを怠るのは厳禁です。
基本のインナーケア
基本のインナーケアは、規則正しい生活習慣と栄養バランスが整った食事です。十分な睡眠量と適度な運動、加工食品やジャンクフードを減らし、旬の食材を取り入れた食事を意識することで、インナーケアができます。
しかし、忙しい毎日の中では、なかなか実践できないかもしれません。もし毎日実践するのが難しい場合は、十分な睡眠や運動はできるときだけ、栄養面はサプリメントに頼る方法でもいいでしょう。
少しでも意識すれば、早めに寝る、駅やデパートで階段を使う、野菜を多めにとるなど行動が変わることがあるので、少しずつインナーケアの実践を意識してみてください。
まとめ
指や手は、体の部位の中で一番の働きものです。「持つ」「打つ(スマホやパソコンなど)」「握る」「押す」など、よく使う部位なだけに、ケアを怠るとどんどん老化してしまいます。いつまでも若々しく、美しい手元を維持するには、毎日のケアが欠かせません。
手元は、顔と同じように第一印象を決める大事なパーツなので、しっかりお手入れをして手元美人を目指しましょう。