好きな色やデザインを施すことができ、指先をきれいに彩るジェルネイルは、見ているだけでテンションを高められる素敵なおしゃれアイテムのひとつです。
ジェルネイルの付け替え目安時期は3〜4週間であり、その間に本来の爪が伸びることになりますが、ジェルネイルをつけたまま爪切りでカットするのはあまりおすすめできません。
今回は、ジェルネイルが伸びた場合の適切な対処法を解説していきますので、地爪の長さが心配でジェルネイルをつけるかどうか迷っている方はぜひ参考にしてください。
ジェルネイルしたまま爪を切るのはNG!
爪の健康を守るために、基本的にジェルネイルをしたまま爪をカットするのはNGです。爪の伸びるスピードは、手の場合1日約0.1mm、足の場合1日約0.05mmといわれています。前述のとおり、ジェルネイルの付け替え目安は3〜4週間のため、次の付け替えの時期になると手の爪で約2〜3mm、足の爪で約1〜1.5mm伸びることが予想されます。
しかし、ジェルネイルをつけたまま爪を切ってしまうと地爪に大きなダメージが与えられ、その結果爪の健康が損なわれてしまうことも少なくありません。このほかにも、多くのトラブルが起こってしまうおそれがあります。ここからは、ジェルネイルしたまま爪を切るのがNGな理由について、詳しく解説していきます。
ジェルネイルしたままの爪切りがダメな理由
ジェルネイルをしたまま爪切りをしてはいけない理由は、主に以下の3つが挙げられます。
- そもそも爪が切りづらい
- ジェルネイルが剥がれて爪が傷つくおそれがある
- 出血する可能性がある
詳しい内容を見ていきましょう。
理由①:そもそも爪が切りづらい
ジェルネイルとは、地爪の上にゲル状の樹脂をライトで硬化させて、好きなデザインを作るネイルのことです。地爪の上にライトで固めた樹脂の加工を施すため、ジェルネイルをつけた爪は厚く・固くなっています。その分、ネイルポリッシュに比べると剥がれにくく落ちにくいことが特徴です。
さらに、ジェルネイルには「ソフトジェル」「ハードジェル」の2つの種類があります。ハードジェルはソフトジェルに比べると硬度が高いため、ハードジェルを使っていればより強度が増します。
本来の爪の2倍以上の厚さになっているジェルネイルは、市販の爪切りでは上手に切ることができません。爪切りは地爪をカットするために作られたものなので、厚く固いジェルネイルをつけた爪には不向きなのです。
理由②:ジェルネイルが剥がれて爪が傷つくおそれがある
ジェルネイルがついている爪を切るには、普段よりも強い力を込めなければなりません。また、何度もカットする必要もあり、普段以上に大きな圧力がかかってしまいます。
ジェルネイルをしたまま爪切りを使うと、ジェルネイルと地爪の間に亀裂が入ります。そうなるとジェルネイルが剥がれやすくなり、地爪に大きな負荷がかかってしまうことになるのです。さらに無理やり切ろうとすると、ジェルネイルの部分だけが弾け飛ぶ可能性もあります。
ジェルネイルが剥がれた地爪は表面がボロボロになります。地爪がボロボロになるとしばらく爪を休ませなくてはならず、しばらくジェルネイルを楽しむことができなくなるかもしれません。
爪切りでジェルネイルをカットすると、爪が薄くなる原因にもなります。爪は「トッププレート」「ミドルプレート」「アンダープレート」の三層からできており、ジェルネイルが無理やり剥がれると表層のトッププレートも一緒に剥がれてしまう可能性があります。健康的な爪の状態をキープしたい人は、爪切りでジェルネイルをカットするのは避けましょう。
理由③:出血する可能性がある
前述のとおり、圧力がかかる爪切りで厚く固いジェルネイルを切ろうとすると、地爪に必要以上の衝撃を与え大きなダメージの原因になります。ボロボロになりすぎたり薄くなりすぎたりした爪は、最悪の場合出血を引き起こしてしまうかもしれません。
爪の出血では、皿洗いや入浴など水を使う場面で染みてしまい、痛みを感じるようになります。水仕事だけでなくちょっとした衝撃でも痛みを感じる可能性があり、日常生活に支障をきたしてしまうかもしれません。
気持ちやテンションを高めるためのジェルネイルですが、処理を間違えると爪の健康状態を損ねてしまうことにつながります。爪の状態が悪いと定期的にジェルネイルを楽しめなくなるため、爪切りでジェルネイルを切るのは避けるべき行為といわれているのです。
地爪に使う爪切りの種類と使い方
普段使っている爪切りには、「ニッパー型」「グリップ型」の2種類があります。それぞれの特徴を比較すると、以下のとおりです。
| ニッパー型 | グリップ型 |
---|---|---|
爪への負担 | 少ない | 大きい |
使い方 | 難しい | 簡単 |
メリット | ・プロも愛用している ・爪へのダメージが少ない | ・手軽に入手できる ・誰にでも扱いやすい |
デメリット | ・爪が飛び散るおそれがある ・使い慣れるまでに時間がかかる | ・爪に負担がかかりやすい ・足の爪は切りにくい |
ニッパー型・グリップ型それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
ニッパー型爪切りの特徴と使い方
ニッパー型の爪切りは刃先がむき出しになっており、爪のカーブに沿わせながら切ることができるため、爪にかかる圧力が少ないのが特徴です。切れ味も鋭く、断面に空気を入れることなくスムーズにカットすることが可能です。
プロのネイリストもニッパー型の爪切りを使っており、刃先の部分を細かく使えるため、ジェルネイルのカットにも向いています。グリップ型の爪切りよりも刃先を大きく広げられるため、厚さのある爪のカットも問題ありません。
ただし初心者には扱いづらく、使い慣れるまでには時間がかかるというデメリットもありますが、ジェルネイルのカットにはこのニッパー型の爪切りを使いましょう。また、巻き爪や甘皮・ささくれのケアにもニッパー型の爪切りを使用することができます。
使い方とコツ
ニッパー型の爪切りの使い方は以下のとおりです。
- 爪の端を挟んでカットする
- 数回に分けて爪全体をカットする
- 形を整える
爪は、短く切りすぎると二枚爪や巻き爪の原因になります。そのため、白い部分は残しながら切っていくことがおすすめです。爪の形は、大きく分けて以下の5つがあります。
- ラウンド
- オーバル
- ポイント/アーモンド
- スクエア
- スクエアオフ
とくに刃先を細かく使えるニッパー型の爪切りは、好きな形に整えやすい爪切りとして知られています。
<ニッパー型爪切りを上手に使うコツ>
・先端から1〜2mmの刃先だけを使う
・刃先を目で確認する
・爪のカーブに合わせてカットする
■刃先の先端だけを使う
刃先全体を使うと圧力がかかりすぎてしまうため、先端から1〜2mmだけを使って少しずつカットするのがポイントです。
■刃先を目で確認する
ニッパー型の爪切りは刃先がむき出しのため、目で見ながらカットできるといったメリットがあります。目視によって爪を短くすることを防げるほか、爪を好きな形に仕上げやすくなります。
■爪のカーブに合わせてカットする
刃先だけを使いながら爪のカーブに沿うように少しずつカットすることで、爪へのダメージを最小限に抑えることが可能です。爪のカーブが強い人は、とくにニッパー型の爪切りがおすすめです。
グリップ型爪切りの特徴と使い方
爪切りと聞いて多くの人がイメージするのが、グリップ型の爪切りではないでしょうか。グリップ型の爪切りは、グリップを握ることで刃先が動き、爪を挟んで圧力をかけながら爪をカットしていく爪切りです。
グリップ型の爪切りは、地爪をカットするためのものなのでジェルネイルには向いていません。グリップ型の爪切りの刃先は真っ直ぐになっているのがほとんどで、カーブ状になっている爪には大きな圧力をかけてしまうからです。
また、ニッパー型の爪切りに比べると刃先が大きく開かず、厚いジェルネイルを挟みこめないおそれもあります。さらに、ニッパー型の爪切りと比べると爪へ与えるダメージは大きいため、健康的な地爪を保ちたい人はニッパー型の爪切りを使いましょう。
使い方とコツ
グリップ型の爪切りの使い方は以下のとおりです。
- 爪の中央部分を切る
- 左右対称になるように両端をカットする
- 形を整える
グリップ型の爪切りであっても、爪を切りすぎるのは厳禁です。できるだけ爪切りの先端を使って、少しずつ丁寧にカットしていきましょう。
<グリップ型爪切りを上手に使うコツ>
・刃先の1/3だけを使う
・切り口が直角になるように当てる
・爪の色を確認しながら切る
■刃先の1/3だけを使う
刃先の全体を使うと、一気に圧力がかかり爪に余分なダメージを与えてしまいます。グリップ型の爪切りを使う際は、刃先の1/3だけを使って少しずつカットすることが重要です。
■切り口が直角になるように当てる
切り口を斜めに当てると、爪への負荷が大きくなります。爪切りの下の歯を爪に軽く引っかけて動かないようにカットすると、切り口を直角にしながらカットすることが可能です。
■爪の色を確認しながら切る
爪に負荷がかかると、爪全体の色がピンクから白に変化します。爪を切る際は爪の色を確認し、ピンク色の状態を保ちながらカットしていきましょう。
どうしても爪を切りたいなら「ネイルファイル」を活用しよう
ジェルネイルを切るにはニッパー型の爪切りがおすすめですが、グリップ型の爪切りしかなかったり使い慣れていなかったりする人もいますよね。そのような場合は、爪へのダメージを少ない状態で短くできる、ネイルファイルがおすすめです。
ネイルファイルとは、爪用のやすりのことです。ネイルファイルにはさまざまな種類があり、目の粗さによって爪の長さを変えたり表面を整えたりと使用用途が異なります。
爪の長さを短くするときは、目の粗いネイルファイルで爪を削ります。たとえニッパー型の爪切りであっても、衝撃が加わる分爪へのダメージはゼロではありません。そのため、ジェルネイルをしながら爪を短くするにはネイルファイルがおすすめの方法なのです。
ネイルファイルの正しい使い方
ネイルファイルで正しく爪を削る方法は以下のとおりです。
- 爪の先端をネイルファイルで平らにする
- 爪のサイドから中心に向けて削る
- 形を整える
爪切りと同じように、一気に爪を削るのではなくパーツごとに分けて爪を削っていきます。ネイルファイルを使う場合も、短くしすぎはNGです。爪切りと違って徐々に爪を短くするため、少しずつ削れば短くすぎる心配はありません。
<ネイルファイルを上手に使うコツ>
・一方方向に動かす
・ネイルファイルが45度になるように当てる
・力を入れすぎない
■一方方向に動かす
ネイルファイルは、往復させると地爪にダメージを与えてしまいます。ネイルファイルを動かすときは、必ず一方方向に削っていきましょう。
■ネイルファイルが45度になるように当てる
爪に対してネイルファイルを45度の角度で当てると爪をきれいに削ることができるため、この角度を意識しながら削りましょう。
■力を入れすぎない
力を入れながら削ると、爪にかかる負荷が大きくなります。爪を削る際に、爪の根本が動いたら力が入りすぎている証拠です。
自分でジェルネイルをオフ、爪切りをおこなう方法もある
ジェルネイルをつけた爪の長さが気になった場合、ジェルネイルをオフして爪をカットするという方法もあります。ジェルネイルが取れた爪は、普段と同じ方法でカットしても問題ありません。
ジェルネイルは自分でオフすることもできますが、ネイルファイルでジェルネイルを削るよりも必要なアイテムが多く、時間もかかってしまいます。しかし、ジェルネイルをした爪が伸びればその分根元が丸見えになってしまうため、「早くオフしたい」という人も多いのではないでしょうか。
ここからは、セルフでジェルネイルをオフする方法を解説していきます。
自分でジェルネイルをオフする方法
■必要なアイテムを準備する
ジェルネイルのセルフオフに必要なアイテムは以下の5つです。
- ファイル(爪やすり)
- アルミホイル
- コットン
- アセトン入りリムーバー
- ウッドスティック
これらは100円ショップやドラッグストアで簡単に揃えることができます。
■ジェルネイルの表面を削る
150〜180グリットのネイルファイルを使って、ジェルネイルの表面を削っていきます。ジェルネイル表面のツヤがなくなり、ベースジェルが残る程度まで削っていきましょう。
■リムーバーを浸したコットンを爪に乗せる
コットンをアセトン入りリムーバーに浸し、爪の上に乗せていきます。アセトン入りリムーバーは揮発性が高いため、たっぷりと染み込ませるのがポイントです。
■カットしたアルミホイルを爪に巻き付ける
コットンを乗せた爪にアルミホイルを巻き付けます。アルミホイルが小さいと隙間からアセトンが蒸発するため、少し大きめのアルミホイルを使うのがおすすめです。アルミホイルとコットンは、10〜20分を目安に放置します。
■ジェルネイルを取り除く
アルミホイルとコットンを爪から取り除き、ウッドスティックを使って優しく剥がしていきます。ジェルネイルが取れにくい場所があっても、無理やり剥がすのはNGです。そのような場合、再びリムーバーを浸したコットンとアルミホイルを爪に乗せ、剥がしやすくなるまで待ちましょう。
■爪の表面をネイルファイルで整える
ジェルネイルがきれいに剥がれたら、240グリット程度のスポンジファイルを使って爪の表面を整えます。爪のザラザラがなくなれば、ネイルオフの完成です。
まとめ
ジェルネイルがついた爪を爪切りで切ることは、爪にダメージを与えてしまうためNG行為です。ジェルネイルがついたまま爪を短くしたい場合は、ネイルファイルを使って爪を短くしましょう。
どうしても爪を切りたい場合は、爪切りの種類にこだわる必要があります。爪切りは「ニッパー型」「グリップ型」の2種類あり、ジェルネイルがついたままの爪を切るには、爪への負担が少ないニッパー型の爪切りがおすすめです。また、ジェルネイルをオフしてから爪を短くする方法もありますので、自分にあったものを選んで優しく丁寧に爪のケアをおこないましょう。